さゆりさんの今回の新曲は、久しぶりの王道演歌。
曲調はメジャー調かと思いきや、マイナー調。
ジャケットも春らしい淡い色ですが、曲を聴くと印象が違ってきます。
「生きる」ということは、口で言うほど簡単じゃない。
だけど、この曲のように人生って本当に何が起こるかわからない。

だからこそ、その先へ進みたいと思う。
まだまだ終われない。
泣いている場合じゃない。

シンプルな分、余計なものが削ぎ落とされて凛とした佇まいの曲に仕上がっています。

カップリングの「続・夕焼けだんだん」は、昨年発売のアルバムに収録されていた「夕焼けだんだん」のアンサーソングといった所でしょうか。
アレンジが色々と工夫されていて、1曲の中で様々な表情が見える曲です。
歌詞もストーリー仕立てになっていて、さゆりさんの歌唱も歌詞によってくるくると変化し楽しめます。
こういう曲はさゆりさんならでは、という気がします。

「だいこんの花」は意外に淡々とした歌い方ですが、繰り返し聴くほどに味が出てきます。
「人生って　人生って　人が言うほど悪くない」
この歌詞が説教臭くならず、しっとりとした情感がこめられているのは、さすがです。
「続・夕焼けだんだん」は、東京の下町情緒とユーモアがたっぷりで、楽しく聴けます。
どちらも新境地と言える曲です。ここから「石川さゆり」を聴いてみるのも、面白いかも？