膠原病・リウマチと闘うには、患者側も正しい知識を持つことが重要
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「デタラメな広告に踊らされない方法は、ただひとつ、病気を正しく理解することです」。
リウマチについて、膠原病という広い視野から、まんべんなく、かなり丁寧に解説している。定義、仕組み、原因、病気の分類、治療法。きちんと細かく説明してあるため、全く予備知識の無い方には少々難しいかもしれない。そのような場合は、免疫機能に関する初心者レベルの本を軽く読んでから改めて精読された方がよいかもしれない。
本書を通読して、膠原病・リウマチへの理解は深まった。しかし、タイトルとは反対に、非常に治療が難しい病気であることも改めて痛感した。膠原病の種類によっては正しい診断すらなかなか難しい。ただ、年々研究が進んでいることも所々示されていて、未来に対してかすかな希望も抱かせる。
また、この病気は、患者が正しい知識を持って節度ある生活とリハビリを行うことや、医師へ質の高い情報をフィードバックすることも重要だということもわかった。治療のためにメトトレキサートという葉酸を抑える薬を飲んでいた患者が、リウマチに効くと友人に薦められて高い金を払って毎日多量の葉酸を含んだジュースを飲んでいた、というエピソードは、滑稽なようで笑えなかった。