いちばん怖かった少女漫画
★★★★☆
30年くらい前これを読んで、怖すぎてマトモに見られないページがいくつかありました。トイレに行けなくなりました。
その後も、この上なく怖い漫画、として長く記憶しておりました。ストーリーにわらべ歌「かごめかごめ」が効果的に絡ませてあり、あのメロディを思い出すとぞっとするんです。薄れる記憶のなかで絵は勝手にどんどん怖ろしくなっていきました。
そして最近、20年ぶりくらいで本物をなつかしく読み返しました。ほんとに昔の漫画なので、あんなに怖かったのはこんな稚拙な絵だったんだなーと笑ってしまう面もありましたが、他の収録作品とは一線を画しています。物語として魅力的なところがある。
「子供の出来ない哀れな夫婦がいたわ。鬼子母神はわが身を削りその夫婦に一人の子供を与えたの。でも夫婦がその子に与えたものは、捨て子へのさげすみと醜い打算、恩着せがましい同情だけ。この愚かな夫婦は今になって、ようやくその子が何者であるか知ったのよ」・・・・・あ、やっぱり怖くなってきました。