これまでの竹中作品以上にシリアスな主題をもつ作品であるにもかかわらず、相変わらずスピーディで密度の濃い役者同士の演技合戦が巧妙に笑いへと昇華されていて、映画の雰囲気を重くすることを許さない。母と娘によるピアノの連弾がタイトルとなっていることもあってか、妙に中途半端なミュージカル仕立てになっているのもまた楽しい。
竹中自ら書いていた脚本が息詰まった時期にうまいタイミングで本作の話がきたということだが、完成されたフィルムはまさしく竹中直人の作品そのものである。(田中 元)
ひょうひょうとした妻の大胆な言葉や行動が、コミカルでいて
物悲しく、あたふたと未練がましい主夫の夫の情けない哀しさ。
夫婦のやり取りは見ごたえがあります。
シリアスな重たい映画よりも、もっと別れが伝わってきて
不思議です。
見る人によって作品の見方が何通りもあるそんな気がしました。
この映像の世界が何とも不思議で面白く、
天海さんという女優さんの見方が変りました。
ピアノ教師の及川光博が連弾の舞台へ母と子を送り出す
姿が最高に楽しいです。