３版は2005年であるから、５年ぶりの改訂である。一般に教科書として定評のあるものは改訂を重ねているが、これもその一つであろう。３版は２色刷で赤を使っていたが、４版は青色になっている。この教科書の優れた点は、イラストがきれいなことである。最近のいくつかの昆虫学関連教科書は、イラストがパソコンのドロー系ソフトで書かれてあり細かい部分がいまひとつきれいでなく好きになれなかったが、この本に出てくる図はすべて専門家による手書きのイラストである。これには脱帽である。大学レベルの昆虫学の講義でもこの図は利用できそうである。３版から４版になって60ページほどの増加である。これも、わずかな改訂で済まさず大幅に手を入れてある証拠であろう。多くの生物学、昆虫学を勉強する学生諸君がこの本で勉強されることを願っている。