立場違えば見方も変わる.それでいいのではないか。
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日韓に横たわる歴史認識の相違。その溝を埋めるために必要な日韓の学者による「議論の応酬と対立」
によって生まれたのが本書である。先ず具体的に、日韓双方の中学校歴史教科書を、日韓併合の部分に関してみてみる。
韓国の国史教科書(ひとつしかない 要約)
「・わが民族は国を奪われ、日帝の奴隷状態に陥った。朝鮮総督は、行政権、司法権、軍事権などあらゆる権限をもつ絶対的な地位にあった。
・安重根(アンジュングン)は,ハルビンで伊藤博文を射殺し民族独立の意志を明らかにした。
・日帝は韓国人を憲兵補助員とし、韓国人弾圧の先頭に立たせる狡猾な方法をとった。
・日帝は、彼らの植民地支配に従順な韓国人を育成する教育政策を進め、日本語を中心に教科を編成し、韓国人に高等教育を受ける機会を与えず、
初歩的な技術と実務的な内容しか教えなかった」
日本の歴史検定教科書(3社の要約)
「・日本は武力を背景に韓国を保護国とし、内政権をにぎり、軍隊を解散させた。
・韓国総監の伊藤博文が暗殺される事件も起きたが、伊藤を撃った安重根は,日本では暗殺者とされるが、朝鮮国では民族的英雄として尊敬されている。
・日本は,学校で日本語や修身を教え、朝鮮固有の歴史や文化を教えることを禁じた。あらゆる政治活動を禁しされ日本移動日させる政策を進めた。
・朝鮮では鉄道や農業用水などの施設が整備された」
どちらもウソはひとつもない.物は言いようだなあと感じるだけである。「結構」がいいようで正反対の意味になるようなものである。
あいまいがすきな日本の国民性(ただし、しつこいと切れる)と,はっきりしないと我慢出来ない半島の国民性(ただし,仲良くなったらべったりでないと許せない)とも言える。
ところで僕は「朝鮮では鉄道や農業用水などの施設が整備された」時に建設にあたった現場総監督の本を読んだことがあるが、
再び半島を訪れた監督は,当時の工事仲間と再開し,何のわだかまりもなく,自ら作った施設が立派に稼働し続けていることを喜び合うのみであった。
半島の北には工業施設が,南には農業関連施設が整備されたため、戦後,まず発展したのは北だったのである。それがねぇ。