意外にも、わかりやすい専門書
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欠陥製品の事故、事故隠し、環境破壊などが毎日のようにニュースになっているが、安全に対してしてどういう課題があるのか、また、安全を保つにはどう取り組めばいいのか、という知識を過不足なく与えてくれる本が、ありそうでない。そう思っていたところ、この本に出会ったわけだが、大学の教科書でもあり、かなり専門的な内容にまで踏み込んでいるのにわかりやすいのには驚いた。いくらか掲載している数式は門外漢には理解できないものだったが、原理は理解できる。社会的側面である「リスクコミュニケーション」「安全規制」についての記述も、簡潔でわかりやすい。「安全学の入門としてコンパクトで十分な内容である」と著者が言い切るだけのことはある。