内容は必ずしも平易とは言えませんが、
専門用語などは極力書中で説明がなされるようになっており、
特別な知識がなくても読めるよう工夫されています。
また各章の冒頭にKeywordsとして重要語句が列挙されるなど、
章ごとの論点を見失わないようにする配慮もなされています。
各章の著者が異なることもあって
内容にはややバラつきが見られるところもありますが、
基本的な議論が一貫しているので、さほど気になることもないでしょう。
むしろ、歴史上の重要案件について
様々な視点から繰り返し考えていくことができるという点で
非常に面白い一冊になっているのではないでしょうか。
全体的に、当時の政策課題について
どのような議論に基づいてどのような対策が行われてきたのか、
という点を常に押さえて書かれているので、
国際経済政策の流れを把握するにあたって
極めて良質な一冊と言えるのではないかと思います。
あらゆる読者にお勧めできる良著と言えるでしょう。