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薬害肝炎―誰がC型肝炎を「国民病」にしたか

価格: ¥630
カテゴリ: 単行本
ブランド: 金曜日
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国・企業悪玉論では真実は見えてこない ★☆☆☆☆
C型肝炎患者の苦悩には心から同情しますし、更なる治療の進歩と公的支援は、是非実現して欲しいと思います。
それでも星1つをつけたのは、本書は、患者を助けたいと思うがあまり悪玉論に固執し、一般の読者に対し偏った情報を伝えていると感じたからです。

C型肝炎ウイルスは1988年まで発見できなかったため、それまでは、「非A非B肝炎」と言われ、感染性であることが分かっても、どのように処理すれば感染を防げるのかが分かりませんでした。
B型肝炎ウイルスの検査が始まってからも輸血を受けた患者の14%が肝炎に感染。この殆どがC型肝炎です。C型肝炎ウイルスの検査が始まった1989年12月以降、輸血後肝炎発生率は1%台に低下しました。
輸血後肝炎の責任が争われた裁判もありますが、東京地裁は平成三年、「検査方法がない時代に輸血後感染を防ぐことは不可能」と判決文で述べています。
輸血以外の経路についても、「戦後の混乱期における社会の複合要因」が、今40歳以上を迎えられている年齢層への感染爆発を引き起こしたという学術論文がネットで公開され、広く知れ渡っています。

国と企業を悪玉にして賠償金を払わせ、対策を採らせるのもいいでしょう。しかし、それ以上の要因が非常に大きく働いていた肝炎問題に、果たして薬害エイズと同じ手法が使えるのでしょうか。
坂口元厚生労働大臣は、「肝炎問題は、薬害エイズや薬害ヤコブとは違う」と記者会見で断言しました。輸血の専門家であり、輸血後肝炎と格闘していた医師でもあった元大臣の発言を、我々は、もう一度かみしめる必要があるのではないでしょうか。