プロとアマの違い。
★★★★☆
マンガを描く上での技術的な面だけでなく、一週間のスケジュールといったマンガ家の実態の一部も知ることが出来る本書は、系統立てた構成に加え、豊富なビジュアル面と、著名なマンガ家のアドバイスも含めて、実践的な内容が良かったと思います。下書きから、ペン入れ、ベタ、ホワイト、トーン、仕上げまでの過程を扱った作画編では、実際に大暮維人氏の作品をお手本にして分かりやすく図説しています。ストーリー編では、アイデアから、キャラクター、プロット、ネームに至るまでを、こうの史代氏の作品『桜の国(一)』のネームを参考に、丁寧に解説しています。ペン先から、インク、原稿用紙、スクリーントーン他の道具に加え、代表的な画材屋まで紹介した道具編では、製造元のペンごとに違うタッチを、実際にイラストで比較してみせる工夫がされています。そして、最後に投稿や持ち込み、同人誌、ネット上で作品を発表する例をあげた章では、金銭面やプロとアマの違いなどが分かります。実際にマンガ家を目指す人以外にも、ためになり面白いと思います。