使える売買システム判別法 ──確率統計で考えるシステムトレード入門
価格: ¥0
システムトレードとは「売買ルールを決めて、それに従い、機械的にトレードを すること」。実際の相場を見ながら臨機応変に判断するのではなく、あらかじめ 決めておいた条件がそろったら自動的に注文する手法である。
この手法であれば、注文に迷うことはない。また、コンピュータにプログラムを すれば、FX(外国為替証拠金取引)や株式、先物、CFD(差金決済取引)など多 様な市場で、24時間全自動売買を実践することも可能だ。最近では、個人でも本 格的な売買プログラムを組んだり、専門会社が作成した自動売買システムを手軽 に利用したりできる環境が整ってきた。
ただし、システムトレードで成功するために重要なのは、単純に過去に“実績” のあるシステムを作成したり、利用したりすることではない。なぜなら、売買 ルールがたまたま当時の値動きに合っていただけかもしれないし、単にパラメー タ(変数)を過去データにこじつけただけかもしれないからだ。
では、そうした偶然性を排して、システムの真の実力を評価するためにはどうし たらよいか。そこで役立つのが「確率統計の知識」である。
本書では、信頼区間、仮説検定、T検定、二項分布といった手法から、システム の本質的な「リスク」と「リターン(期待値)」を推定する方法について紹介し ている。
ただ、確率や統計というと難解なイメージがある。そこで本書では、すべてエク セルの計算式で表した。読者はここで紹介された式を利用することで複雑な計算 が簡単にできるだろう。
また、選び抜かれたシステムの能力を自分の「資産運用」に最大限に発揮させる ためには、効率的な資金配分が課題となってくる。いわゆる「システムポート フォリオ」の作成だ。
そこで本書では、エクセルで最適なポートフォリオを求める手順についても言及 し、許容リスクのなかで最高のリターンを期待できる組み合わせを探っている。 本書を利用して売買システムを選ぶ目を養い、理想のポートフォリオを構築して ほしい。