金利と経済―――高まるリスクと残された処方箋
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トランプノミクスで高まる財政への期待と不確実性
異次元緩和+マイナス金利政策の検証
待望されるヘリコプターマネーのコスト
イールドカープ・コントロールの効果……
生きた題材をもとに、日銀金融研究所長などを歴任した第一人者が
景気、成長と利子率の関係を検証した、いま最も読まれるべき経済書
金利操作に期待されるのは、
「トレンドへの働きかけ」か、「経済の安定化」か?
【第1章より抜粋】
昔は、金融政策はきわめてシンプルなものだ、
と考えられていた。今でも多くの経済人が、
景気が悪ければ金利を下げて金融を緩和すればよい、
という単純な原理の有効性を基本的に信じているようにみえる。
ただ、高度成長期の金融政策運営を支えていた経済の構造は、
1973年時点で完全に崩壊していた。
「景気」の本質が変化して金融政策の働きかけの意味が変わったとき、
先の原理の効果は思うようには出なくなり、
金融政策は新たな工夫を試みてどんどん複雑化してくる。