誤訳、珍訳を別にしてもルールが整備されたお買い得の一冊
★★★★☆
誤訳、珍訳が目立ちますが、内容はGurps Compendium I: The Indispensible Companion for All Gurps Players (GURPS: Generic Universal Role Playing System)に載っていたものや第3版のガープス・妖魔夜行―妖怪アクションRPG (角川スニーカー・G文庫)、ガープス・百鬼夜翔にしか乗っていなかった人間離れした能力もこのベーシック・キャラクター一冊で「特徴」として取得することができるようになりました。第3版でバラバラになっていたルールがこの一冊でかなりまとまっています。第4版では、以前は妖魔夜行、百鬼夜翔でしかできなかった「修正」(「増強」と「限定」)ですが、このベーシック・キャラクター一冊だけで「有利な特徴」に「修正」(「増強」と「限定」)をつけることが可能になりました。それゆえに、この一冊だけで妖怪やスーパーマン並の超強力なキャラクターを作る事が可能になりました。第4版では第3版のころと比べ、それだけルールが整備されています。ゲームバランスも改善されていますし、第3版の頃よりも、納得できないと思える要素が減りました。
グループSNEのサイトではエラッタが掲載されていますが不完全です。誤訳や珍訳、訳語不統一もかなり残っていますが、有志が作成したエラッタで解決することが出来ます。有志が作成したエラッタは「GURPS Wiki @Wiki」などに掲載されています。
どんどん使いにくくなる自称汎用ルール
★★☆☆☆
コアルールのはずなのですが、これだけで充分遊べてしまうほどのデータ量です。
が、ルール・データ量が肥大しすぎて、文庫時代のスタイル(ベーシック+サプリ)としては遊びにくくなっている気がします。
現に多すぎるルールのせいで、コアルールすら分冊する有様です。「これだけで充分遊べる」と書きましたが、本書はコアルールの一部ですので、単体で遊ぶのは難しいでしょう。
どのような遊び方をしたいかにもよるのですが、既存の専用ルールで出来る遊び方ならば、汎用ルールに勝ち目はありません(よほど愚にもつかない専用ルールでなければ)。
既存のルールとはちょっと違う遊び方をしたい時に生きてくるのが汎用ルールなのですが、コアルールが重厚長大化しているので、導入には手間隙がかかる事でしょう。
「軽快なコアルール+サプリメント」という方向に行って欲しかったと心底思います。
が、現状の「重厚長大なコアルール*仕様リスト(使用可・不可など)」だけで遊べるという方向性も、プレイグループによっては好ましいものなのかもしれません。
やっと出た
★★★☆☆
出版延期に延期を重ねてようやく発売しました。
会社ならクビになりかねない遅延。きっちりと予定を立てて欲しい
ところです。
さてさて、内容ですが、
「キャラクターメイキングしかできない」
の一言です。
キャラメイク以外のルールが載っていない。
(簡易戦闘ルールは?がつく)
凄くデータが増えたのに、検索機能は最悪のまま。
例えば、有利な特徴を下記のように分類して欲しかった。
例
有利な特徴
一般用
ヒーローキャンペーン用
異種族用
GURPSは自由ですが、索引として上記程度に
分けて頂けると、あまり悩まないでキャラメイクできるのになぁ。
とにかく、今は下巻「キャンペーン」を待ちます。
これだけでは使えない
★★★☆☆
一言で言えば、キャラクター作成のためのデータ集。申し訳程度に簡易戦闘ルールが載っているだけなので、はっきり言って現状では使えません。
完訳版ベーシックのルールでも、使って使えないことは無いと思いますが、それではルール変更に対応できませんし……
あと、載っているデータですが、スーパーヒーローやサイオニクス、サイバーパンク等の膨大な特徴が混在しているため、キャラメイクが面倒な事になりそうです。
巻末の索引が貧弱なのは気になりますが、閉じた状態でも検索できる辞書型の索引が使われているのは好印象でした。第3版より、よほど検索性は向上しています。というか、完訳版は出来が悪すぎました。チャート集には欠落はあるし、転倒したキャラが被るペナルティが明記されてないし。
ただ、現状を考えると、ここまで膨大なデータは必要なかったようにも思えます。現状では、ガープス・ユエルすら、このベーシックに対応できてませんから。
もっとも、GURPSのルールを用い、独自のゲーム世界を展開できる上級ユーザーには、これだけのデータが必要になるでしょう。しかし初心者なら、おそらく膨大なデータを持て余します。
ある意味、日本のGURPSは、初心者ユーザーを切り捨てたのかも知れません。