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アメイジング!

価格: ¥1,800
カテゴリ: CD
ブランド: Warner Music Japan =music=
Amazon.co.jpで確認
1970年代に起こった多くの出来事の完璧な縮図であるバンドのひとつ、リトル・フィートは風変わりななめらかさを持つ、南部風味のブルース・ロックのセクシーなパスティーシュを作った。中心人物ローウェル・ジョージのうねるようなスライド・ギターがこのバンドの初期レコーディングの特徴だった。一方、彼のヴォーカルは高低のあちらこちらにと母音をいじる歌い方にはっきりした特徴があった。このアルバムはジョージが1979年に亡くなる直前にレコーディングされたもので、ジャズの影響を反映している。ジョージの影響力がバンド内で弱まっていたにしても。ロサンジェルスを拠点としていたことで、バンドにはたとえば、メンフィス拠点だったら欠けていただろう趣があった。『Feats Don't Fail Me Now』はボニー・レイットやエミルー・ハリスのような豪華ゲストも参加しており、タイトでひねくれ機知に富んだ曲のコレクションだ。『Don't Fail Me』の前作にあたる1973年の『Dixie Chicken』が一般的にはリトル・フィートの必聴盤だと思われているが、このアルバムもバンドのロック/ブルース/ジャズのハイブリットぶりの魅力を遺憾なく発揮している。(Lorry Fleming, Amazon.com)
日本で受けない理由は ★★★★★
彼らが日本で受けない理由は何故?とレビューで皆さん口々に言われてますが、そりゃあメロディ優先かリズム優先かと言う音楽の根本的指向が違うからに外ならないんじゃないですかね。

かなり様々な音楽を聴いて来たか演奏する人以外は、まずリトルフィートは聴けないでしょう。

特にセカンドラインを積極的に取り入れていたローウェルジョージ主導期(則ち本作まで)は厳しいです。何故ならこのリズムはワンコード、更にはドミナント7thと言う短調でも長調でもない不安定なコードとはとりわけ相性がいいのですが、それで曲作りすると、どうしてもメロディックにならないんですよね。則ちリズム主体になるんです。

そしておそらくリフが先にあって、そこに鼻唄でメロディを乗っけるスタイル(米国南部では主流でしょうか)で多くの曲が作られてます。これはメロディに楽器でコードを付けたり、コード進行が先にあってメロディが和音に当たらないように作る日本の大衆音楽の真逆の作曲法です。

閑話休題、上記の事からリトルフィートで挫折しない為には、寧ろ次作以降のポール、ビル主導の洗練された作品から聴く事が賢明かと…勿論3rd、4th(本作)辺りが自分は大好きなんですけどね。
フィート流ファンクの名盤! ★★★★★
はっきり言って、このバンドは万人向けのバンドではないと思います。

私も80年代に始めて、彼らの最高傑作といわれる「ディキシー・チキン」(1973年)を聴いたのですが、正直当時は、どこがいいのかさっぱり分かりませんでした。

しかし、何年も経ってから、なぜかムショウに聴きたくなり・・・それからは、もうすっかり、彼らの独特なサウンドの虜となりました。本作(1974年発表)は彼らの作品が始めて日本で紹介された作品です。当時は「アメイジング!」というタイトルで発売されていました。

本作の特徴は、やや露出気味の分厚いリズムセクションにあります。ヘイワードのたたき出すドラムが、タイトでヘヴィでしかも大変心地よい。さらにまたこのアルバムのもうひとりの主役は、ビル・ペインの弾く、というか「たたきまくる」ような独特なタッチのキーボードプレイです。反面大黒柱のローウェル・ジョージがややかすんでしまった感は否めませんが。

メンバーが一丸となって一つのカタマリのようなサウンドを形成するのは、フィートの特徴ですが、このアルバムは、彼らの作品中もっともパーカッシブでファンキーなサウンドです。

名曲ぞろいの前作「ディキシー・チキン」や後作である、究極のフィート・サウンドの「ラスト・レコーディング」(1975年)とは、また違った魅力を放つ重厚な名盤と言えるでしょう。「大人のロック」を聴きたい人には、是非ともおすすめします。
粘っこいビートがクセになりそう。 ★★★★★
LP時代は確か「頼もしい脚?」というタイトルが付いていたんじゃないかと思う。名作ディキシーチキンに続くフィートの第4作。グループとしての多彩な演奏内容はこれがベストではないか。前作よりも幅の広がった音楽性と分厚くなったサウンド。音の守備範囲はぐっと広がった。ビル・ペインやポール・バレールのキーボードやギターが前面に出てきて、ローウエルのスライドが一寸引っ込み気味。彼ら二人の一風変わった曲(特にバレールの変態的?な曲が楽しい)がいっそう異彩を放つようになってきた。ローウエル作のスパニッシュムーンにはタワーオブパワーの豪華なホーンセクションが付いて異国情緒溢れる名曲に仕上がっている。ボトムを支えるヘイワード×グラッドニー×クレイトンの重く粘っこいビートも聞き物。ディキシーチキンよりもタイトでファンキーな味わいだ。この濃密さはロックの一線を越えていると思う。全8曲は演奏的には文句なし。しかし、2、3の曲の歌詞にアイデア不足があり、ローウエルを含めてグループとしてのソングライティングに翳りの兆候が見られる。曲不足をカバーするためにセイリンシューズから2曲持ってきて、メドレーでカバーされている。やはり本作での演奏面の充実を反映して、バックビートを効かせた粘っこいリズムがクセになりそうなアレンジになっている。ウインドウズメディアプレヤーで聴くときはイコライザーをレゲエに設定すると各楽器が前に出てきて心地がよい。
最高音質で聴くフィートの「私的」最高傑作 ★★★★★
多くの評論家によると、彼らの最高傑作にして歴史的名盤は「ディキシー・チキン」であるし、私もその出来の素晴らしさに同感する。しかしながら、ハードロックやポップスが基本的に好きで、楽器を演奏するわけでもない純粋なリスナーとして聴いた時に、最も解りやすくてノリやすい、そんなアルバムとして私のフェイバリットになってきたのが本作だ。それが最新リマスター(フィートのオリジナルアルバムのリマスターはなんと、今回が初めてだ)で聴けるというのは至上の喜びである。

Trk1、旧友マーティン・キビーとの共作による、音域幅を最高に使い切ったルーズでいてポップなメロディラインに、どっしりと粘る彼ら独特のリズムが加わる名刺代わりのTrk1の冴えからして最高である。ビル・ペインのブギウギ・ピアノの軽快さが堪えられないTrk2、ポール・バレールがローウェル・ジョージからの影響を彼自身のポップ感覚を足して見事に披露したといえるTrk3、それを師匠ローウェルが余裕で切り替えしたかのような横揺れする見事なセカンドラインビートとスライドギター&渋いブルーズボーカルが渾然一体となたTrk4、と彼らが前作「ディキシー〜」で示した音楽性を、本作の特徴である、ハードロック的な一際骨太の音質で仕上げた前半を締めくくる(LPではA面ラスト)Trk5は、ローウェルに代わってこの曲だけプロデュースを買って出たヴァン・ダイク・パークスの常軌を逸したミキシングにより、見事にブッつぶれた奇天烈なドラムサウンドに、パワー・オブ・パワーの肉厚なホーンセクションが絡みつく。3分に満たない曲だが、そのスリリングさと見事な妖しさは名曲という他は無い。

後半は、フィート流の跳ねるリズムによるトラッドとでもいうべきTrk6を露払いにし、ポリリズムの中にプログレ、ジャズの影響を見せるビルの才能が一気に爆発するTrk7へ移行。しかしローウェルも渋い喉とギターワークで見事に応戦。このあたりの火花を散らすようなメンバー感のスリリングな音楽性の拮抗は本作ならでは、の魅力だ。更に、セカンドアルバムの代表曲2曲を見事にスタジオライヴで熱気ごと刻印したラストのメドレーで、ハードロック・ファンなら感動する事請け合い。前半がドロっとしたスローな粘るリズムを持っている曲だが、そこからメンバーのインタープレイを挟んでシャープなノリで疾走する8ビートに強引につなげるその演奏能力というかセンスの素晴らしさには惚れ惚れする。リッチー・ヘイワード、サム・クレイトン、ケン・グラッドニーという最高のリズムセクションの圧倒的存在感が光る。勿論、ローウェルのスライドギターも、縦横無尽に大活躍!燃えます!
さらなる高みへ ★★★★★
 前作「ディキシー・チキン」は最高傑作とされることが多く、私もそれに何の異論もない。そしてその絶頂期に作られたのがこの作品である。と言っても、フィートを良くよく聴きこめば分かると思うが、前作とは似て非なるものである。
 前作は、商業的に見事に敗北に終わったが、1stのサイケデリックロック、2ndの南部伝承音楽への挑戦などをすべて飲み込みそれらを完全に自分のものにした冒険的なアルバムであった。今回は、前作の延長線にありながらも、前作で当たったファンキーネスをさらに前面に出している。だが決定的に違うのは、前作は南部伝承音楽を突き詰めたところにファンキーネスがあったという自然発生的なリズムの強調であったのに対し、本作は最初にファンキーネスをすえての作品である。ローウェルは前作の商業的敗北でドラッグ漬け生活を始め、グループは一度は解散状態になったと言う。そういう状態であり、狙うところは人間誰しも同じで、「やはり皆に認めてもらいたい、聴いてもらいたい」と言うことだったのではないか。アルバム発表後、大規模なツアーも行った。
 そうして、ローウェルは、プロデュースも手がけているが、ボーカルにさらに専念するようになり、スライドは余り弾いていない。その分、ポール・バレルのギター、ビル・ペインのキーボードがこれまでより前面に出るようになり、音楽にさらに幅が出た。また、洗練された、いわば都会的な感触を持つようになってきた。
 ディキシー・チキン」は最高傑作かも知れないが、これからという入門者にはこのアルバムのほうがとっつきやすいのは明らかであり、「ディキシー・チキン」よりも本作の方をお勧めする。なんと言っても絶頂期のフィートであり、楽曲も「オー・アトランタ」、そして個人的にはフィートの中で1、2を争う名曲「スパニッシュ・ムーン」もある。そこらへんのロックバンド、ロックアルバムとは桁が違うのである。
 過酷だけど付け加えると、本作もこれだけの出来であるのに、そして、過酷なツアーを行ったのに商業的には見事に敗北として終わった。運が無かったと言うべきか。