とにかく面白い
★★★★★
宮部みゆきは、さすがに面白い。途中で止めるのが難しいくらいに、クライマックスまで引っ張っていく。登場人物の心理も、繊細に表現されている。
私は時々、日本の作家の英語訳を読む。英米の作家の場合には、描かれている状況を飲み込むまでに、苦労が必要なことがあり、仕事に疲れた頭には辛いことがある。
それに比べて、日本の作家の場合は、たいてい舞台が日本であるから、状況がよく分かり、理解しやすいので、楽しみながら英語の勉強ができる。そして、英語に訳されているものは、かなり定評がある本なので、内容については、当たりはずれが少ない。
ただ、翻訳に素晴らしい文章を期待することはできない。多くの場合、原文に忠実に意味を伝えるだけでも大変で、美しい文章に直すことは至難である。素晴らしい文章を味わいたい時は、英米の作家の中から探す方が良い。
そのようなことを割り引いても、この本ほどに楽しめるミステリーはそれほど多くないと思う。
All The Book Is Worth
★★★★★
A stunning look at Japanese society, economy (consumer lending culture in particular), culture and more in the 90s. Eye-opening and extremely well-researched (without being heavy or boring) by Miyuki Miyabe. Fiction that tells a very real story of one woman trying to disappear, and the police investigator trying to find her.
Riveting, well-written contemporary fiction by one of Japan's most popular and prolific female writers. I've heard this book is even used in some Western universities to study Japanese literature. Well worth your time. You'll race through the 300 pages in no time and want more!
この翻訳はいいです
★★★★★
日本語のoriginal textを読む前にこの翻訳でこの作品を読みました。
すばらしい翻訳だと思います。originalとの比較はしてませんがこの作品の醍醐味を余すところ無く伝えていると思います。
日英の翻訳家育成急ぐべし
★★★☆☆
ミステリー嫌いな私もこの日本語版には
とても引き込まれました。日本語版の方
は、沢山のレビューがあるので敢えて触
れませんが、翻訳は物足りなかったです。
翻訳家の癖がばっちりでていて、特に
Abbreviationが多くて気になりました。
明快な宮部日本語と対比すると、英語の
方がその明快さを失っていると感じました。
消費社会に潜む闇
★★★★★
本書はベストセラーになった宮部みゆき『火車』の翻訳。作家の池澤夏樹さんが、イスタンブルの大学で日本文学を教える際、テキストとして使用したのがこの本だったと知り、翻訳を読んでみました。
ストーリーは、なぜひとりの女性が別の人間になりかわらなくてはならなかったのか、その謎をめぐって展開していきます。緊張感を保ちながら、読者をぐいぐいと作品世界に引きこんでいく宮部ワールドの魅力は、この翻訳においてもあますところなく表現されています。
欲しい物はクレジットカードを使えばすべて手に入る今の日本。豊かな消費社会に潜む闇の部分を描いた社会派傑作ミステリーです。