ゴッホの絵と彼の生き様が深く知れます
★★★★★
芥川賞作家の川上未映子氏がこの本(大型版の方かも?)を公園のベンチで読んでたことがその著書「そら頭はでかいです。世界はすとんと入ります」で書かれて(彼女はゴッホ崇拝者)いたり、司馬遼太郎はゴッホの書簡の文学性と絵の芸術性を高く評価し、彼をイエスと同様に死の前に自分の行動に絶対の確信を持っていたと「オランダ紀行」で語ってたりしますが、
本書には次の特徴があり、ゴッホの絵に少しでも興味を魅かれる方にはお薦め致します。
1.全油彩画が出来る限りカラーで掲載されている(小さいですが)。
2.ゴッホの書簡の内容が至る所で引用され、その作品を書いた背景やその作品に対するゴッホ自身の意図と評価が分かる。
3. ゴッホは叔父の画商でパリや英国で働いており、少なくとも蘭仏英の3カ国語を話せ、父が神父でキリスト教の宣教師を目指して挫折したこと、娼婦と結婚しようとして挫折したこと、同時代の文学やベートーベン等の優れた音楽、また日本の江戸時代の版画等に造詣が深かったことが分かる。
因みに、オランダのゴッホ美術館近くのスーベニアショップでは、本書の日本語版が10ユーロで販売されています。