問題提起は良いが
★★★☆☆
温暖化と化石燃料の使用との因果関係に疑問を抱いたり、二酸化炭素の輩出権取引に国際政治のいかがわしさを感じている方は多いかと思います。
しかし、中東紛争により原油が多少、高騰する可能性についてはともかく、入手自体が困難になり、ライフラインの崩壊などによる生命の維持自体が困難になる恐れまでは、皆さんあまり想像力が働かないのでは、と思います。かくいう私も、この本を読んで、認識を改めさせられたのですが。実際、アメリカはすでに有事に備え、領土内の油田を温存させる政策の一方で、代替バイオ燃料などの開発にかなり力を入れており、一気にまた有効エネルギーの分野で一人勝ちし、世界がひれ伏す次世代の新エネルギー王となる事を狙っている、とのこと。日本もぐずぐずしておらず、代替エネルギーの開発に国家戦略として力を入れよと、説いているわけです。
新しい代替エネルギー、動力源の発明には子供の頃、アニメでみたような近未来を感じさせ、とても夢があるのでわくわくしながら読み進んでいったのですが、これだ、という決定的に有効なものが示されているわけではありません。むしろ植物バイオなどによる代替エネルギーの限界が説明され、結局、現段階では供給エネルギーには原発を超えるものが無い模様。少し肩透かしを食らった感じで、星三つにさせて頂きました。ただ、問題提起としてはとても大切なテーマだと思います。
日本独立、国防・経済立て直しへの指針を示す良書
★★★★★
温暖化しようと寒冷化しようと、その時の国家サバイバルに策を練っておくのが為政者の仕事である。日本国においては、アメリカが守ってくれるという幻想を抱き、日本国憲法の欺瞞性から国民が国防と言動不一致に無頓着になっている。
アメリカとシナ共産党は日本を軍拡させない密約を結んでいるはずだと看過する兵頭氏は、中東依存の石油から脱却した軍備を整えない限り、日本は第3の敗戦を迎えると主張する。最悪の場合、日本の人口は地球に優しいエコな3000万人以下まで凍死・餓死により減少すると警告する。
イランの核配備やアフガンのテロ組織による核入手により、中東地域から石油が入ってこなくなったときに備え、バイオ燃料によるディーゼルや無人機の研究を急げと警告する。真に国思うなら、アホ空幕のF-22が欲しいとの駄々に付きあわずに、もっと視野を広げたいものである。