短期記憶を失いつつある家族もやってます
★★★★☆
一般の人向けの脳トレーニングを、認知症の人向けに応用した、 “学習療法”と称する認知症治療のためのシリーズです。計算と読み書きがあり、このシリーズを試すのであれば両方とも行うべきものです。割と新しい治療法のようですが、全国の認知症の高齢者を扱う施設でも、徐々に採用されているようです。
各AからCに分かれていますが、これはAが最初に行うもので、順にB・Cと進むわけではありません。難易度でいうとCが一番やさしい、つまり認知症が進んだ人向けの本で、Aが比較的軽度の患者向けです。
くもんの認知症治療における学習療法のポリシーやその効果については、このシリーズの本すべてに共通に、各本の巻頭に記述されていますが、それによると、何もしなければ3ヶ月でかなり悪化してしまう、認知症の度合いを示す指標が、この療法を続けることで、横這いからやや改善されるそうです。実際に行うときは、患者が一人でやるのではなく、家であれば家族がいっしょにコミュニケーションを取りながら行ないます。
この本は、約3週間で終わりますが、通信教育で、くもんの在宅学習を3ヶ月単位で継続して続けることも可能です。このあたりについては、各本の最後にも書いてありますが、出版元のホームページも参考になります。
私の家では軽度のアルツハイマー型認知症の母に、Aのシリーズを試してもらっています。まだ始めたばかりで、効果はわかりませんが、このドリルをどこまでやったかさえ覚えてない母ですが、もともと計算が得意なので、嫌がらずにやってくれます。もともと計算や読み書きが得意だった人ほど、このシリーズは合っている気がします。