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日本の「戦争力」

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: アスコム
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「日本人は銃を取って戦えない」という視点が欠如している ★★★★☆
他のレビューを全部読ませてもらったが、小川氏もレビュアーも
決定的な視点が欠如しているので書いておく。
小川氏は「憲法の平和主義に基づいて、日本は世界平和を守るために
自衛隊を積極的に世界に派遣すべきだ」と主張しており、
それに対し何人かのレビュアーは憲法の拡大解釈だと反発している。

しかしどちらの意見も「他人事」の域を出ていない。
戦うのは自衛隊であって、派遣するのは政治家だと思っている。
だが国を守るのは「国民」であるというのが世界の常識だ。
それを「国民国家」という。現代の世界は国民主権であるから、
国を守る義務もまた国民にあるのだ。

しかし日本の国民は、戦後65年間「銃を取って戦ってはいけない」と
叩き込まれてきた。たとえ本土に攻め込まれたとしても銃を取れない国民が、
世界平和のために外国で戦えというのだろうか?
小川氏の主張は妄想と言ってさしつかえないだろう。
まず日本人が本土侵攻に対して銃を取ることから意識改革が必要なのだ。

まあ他にも「宗教問題が解決すればイラク民主化は可能」などと発言するあたり
小川氏はかなり能天気である。軍事の専門家ではあるのだろうが。
戦力ではなく戦争力について ★★★★★
 この本は書名どおり「日本の戦争力」を解析/解説したものです。ですので、兵器の話も出てはきますが、詳しく武器/兵器の型や年式、その威力などについて解説したものではありません。ですので、兵器マニアの方には不向きでしょう。そのかわり、日本の総括的防衛力/戦争力/外交を考える上では非常に示唆に富んだ内容です。著者の見解が全て当を得ているかどうかは読者が独自に判断すべきですが、考えるためのヒントが満載です。私には非常にためになりました。
 勉強不足のマスコミの方々や国会議員さん、「比例名簿に名前を載せたら当選しちゃった」系のこれからさらに勉強をすべき新人議員さん、全員にぜひとも一読いただきたい内容だと思います。
「自衛隊とは何か」鮮明に分かった! ★★★★☆
 自衛隊に対する冷静な対応ができない「社民党」が、「民主党政権」に加わることになった。
 得票でも議席数でも、国民の多数の支持を得ていない小政党。政権に関与するなら、まず、この本を読んで自衛隊を学んでもらいたい。

 日米軍事同盟がどういうものか。自衛隊の戦力とアメリカ軍に対する役割。当たり前のことを我々は、ほとんと知らなかった。この本を読むと、知識が開ける。

 自衛隊を支持する側も、そうでない人も、論議する上で「そもそも自衛隊とは何か」を認識する入門書とも言える。侵略戦争を起こしえない自衛隊の存在を、我々はもっと堂々と誇っていい。

 同時に、「敵地先制攻撃」や「ミサイル攻撃には反撃」もできない事実も知るべきだろう。

 戦後60年をかけて我々は、アメリカ軍の支援があって初めて防御戦闘できる軍事力を組み立ててきた。それは、先制攻撃を行えず、侵略できない軍事力を保持してきたということでもある。

 また、このところ話題になっている、田母神・元航空幕僚長の発言が、現在の枠組みの中で、どういう意味を持つのか。彼の行動の何が誤まりなのか。最新の時事問題にも触れている。質問と疑問に答える形式である点も、この本の分かりやすさだ。
戦力とは何か? ★★★★★
たしか、マキャベリが言ってました。『戦争論』

「戦力とは、実際の戦闘力と仮想的がイメージするこちらの戦闘力の二つがある。
」かなりのうるおぼえ。

とすると、先制攻撃力をもたない日本の軍事力は、なめられる、ということになります。
(実は、強襲用陸揚げ艦をもっているらしいのですが…)

やはり、安全保障を手に入れたいなら、なにかをすてなくてはならないのだなあ、と感じました。
他の方とは違う観点で論じてみたいと思います ★★★★★
まず筆者は、極めて論理的に数字を挙げて、日本の国防能力について客観的な分析を試みており、これから日本人の多くが感じることは、「なーんだ結局日本はアメリカ頼みでなきゃなにもできないんだよね戦争になれば」という感想だと思う。

私が提案したいのは、この際、軍事力、というものそのものを考え直す時期に来ているのではないかという事である。戦争とは、国際紛争を解決する手段として用いられてきた。だが、多国間の利益調整を軍事力で解決する、という最終選択は、何も生まない、という事を一番最初に認識したのは数百年間戦いに明け暮れてきたヨーロッパである。したがって、欧米では、まず外交、が国際関係を構築するための率先課題となった。

しかし軍隊そのものは、国連が認めているぐらいであるから、外交が失敗した場合のオプションとして消え去ってはいない。ところが、軍隊というものは基本的に超法規的な存在であり、極論すればただの殺人集団である。だからいつも一般市民が多く犠牲となる。

国際秩序を維持するために必要なのは、今後「法執行機関」である。
具体的に言えば国際警察のような組織であろう。すべての紛争は現行の国際法のような「慣例の寄せ集め」ではなく、きちんと法体系化された国際紛争解決法令を条文化した後に、国連のような横断的組織によって運営される国際警察隊によって「管理」されるべきである。
当事者国の言い分は、国際法廷でそれぞれ述べればよいであろう。

国際警察隊は、装備は現在の国連軍と同じような重火器や航空母艦などを含む編成にしてもいいかも知れない。しかしあくまで、これらは「法」の下で運営される、という点で、新しい時代のパラダイムとなりうるだろう。

私個人の考えでは、日本は自衛隊の概念を180度変更し、その装備を活用して、民生の設備では能力的に解決できない災害に趣き、対処する「国際救助隊」のような役割を担っていけば、周辺国から尊敬され、攻撃されることもなくなると思っている。現地での治安は国際警察隊に依頼すればよい。
このような方法により、日本国憲法にある、「世界の平和に貢献する」というテーマを最も崇高な形で実現できるであろう。