８x１０で撮影された写真が、かなりクウォリティーの高い印刷で楽しめます。
しかも今まではモノクロの作品が多かったJOCKですが、この本はカラーのみ！！
感動出来ます！！

サイズがモンスター級にバカデカイ写真集です。 布張りのハードカバーで糸綴じ…装丁が豪華です。
しかし、印刷は凄く綺麗だと思います。 自然光の暖かみや、人間の肌の暖かみまで感じ取れると申せば伝わるでしょうか? 全頁、写真はオールカラーです。
確かに少女の裸体も結構な数が掲載されていますが、その姿は威風堂々としていて何らの恥じらいも有りません…。眼光は鋭く…力強く…生命力に満ち溢れています。
人間の裸体を此処まで自然に溶け込ませ、尊厳化するとは…流石ジョック・スタージェス…世界中で高評価されているのが納得出来ます。
価格は結構しますが、これは凄くお勧め出来ます。
ただサイズがバカデカイので置き場所に困るかもしれないです…。

一言で感想を言うと、「凄い」です。最初の数ページは普通に見てましたが次第に引き込まれ、気付けばひとつひとつの写真から目が離せないほど魅入ってました。モデルの目力、表情、構図すべてが飽きのこないものです。ほとんどがヌードなので賛否両論あると思いますが(子供のヌードがあったりするので)、人の肉体を衣服で隠さずさらけ出した姿には理屈抜きの力強さがあり本能的に感銘を受けます。ボリュームも満足のいくもで、見終えた後には程良い緊張感が残りました。ヌードはいやらしいものではありませんが全ての人に「素晴らしい!」と思ってもらう事はでき無いかもです。しかし一度は機会があれば是非見ていただきたい素晴らしい作品です。

１０年以上前に手にした「あの夏の最後の日」と比べてみると、本が２まわり大きくなり、厚みは倍になった以上に、
白黒であったのが全頁フルカラーになった点（９〜１８７頁まで、偶数頁に写真が無いところが半分位ありますが）で
「芸術」にしようと力んでいた念が抜けて、空気まで柔らかく映っているように感じます。
大理石やブロンズの彫像のように硬質であった素肌が、今回は陽の光に照らされて様々な陰影を残します。

ど素人ながら人にカメラを向けていて最近痛感するのが「カメラマンとモデルとの信頼が写真に残る」こと。
この写真集は、生まれたままの姿で過ごす人にカメラを向けて残したものです。
カメラマンが男性である以上、モデルに女性が若干多いことも当然でしょう。
照れ隠しのピースや笑顔など無く、けれど確かにカメラマンに対し一片の疑念はありません。
わが国にも確かにあった、自然の中で自然に過ごす人、そして人と人の信頼、そんな憧憬の想いを起こさせる、貴重だけど「特別で無い」写真の数々です。

スタージェスの写真集では初めてのカラー写真集です。
内容がとても美しく、ある雑誌で、浜辺の夕暮れの中に少女が立っている写真を見た時に、写真ってこんなに美しく撮れるんだと思ったことを覚えています（以前は、恥ずかしながら絵画に比べ写真は劣ると思っていました）。
只、子供のヌードも多く載っているので（ヌーディストの家族を撮影した物です）、偏見のある人は購入に注意を持ってもらいたいですが、そんなこと度外視にした芸術作品ということが、中身を見て貰えれば分かると思います。