その形は時流と共に変わりゆく。流行の変化、新たなテクノロジーの登場、目まぐるしく変わる世界情勢……我々を取り巻く世界は停滞というものを知らない。
N◎VAの変化しない点は「現時点における近未来という舞台設定」である。ゆえに、その形態は現実の変化に応じるのが必然である。そしてそれこそが、このレビューのタイトルの由縁である。
頑なに守り続ける基本設計。それを最新の技術によって、常にその時代で最高の性能を保つ。孤高のGT!。
本質的なところで、私はこの二者をだぶらせて見てしまう。
旧来のユーザーからの強烈な批判。新たなユーザー獲得への強い意志。今、私の手元にあるこのわずか数百グラムの紙の中から伝わるもの。それはおそらく、二者ともに異なるところがないほどに、共通していると思う。
なぜなら、それらが「孤高の存在」たることを許されるのは、「熱い思いを持ったユーザーがそれを支えてきた」からである。だからこそ、自分の中にあるそれと、新しく生み出されたそれの違いが、許せないのだ。
その壁を越えてこそ、その中から変わらないものが見いだされる。それもまた同じく。
新しいN◎VAからもたらされる喜びは、過去のそれに何ら劣るところはないだろう。
好みに合わなければ、前のものを使えばいい。!新しいそれは、その楽しみを減じるものではないのだから。
N◎VA-Dの評価がどういうものかは、プレイを重ねる内に答えが出ることだろう。私は以前と変わらぬ歓びがあると信じる。
……正直言って、乗り越える壁は高いが。