長女の淀殿ほどには、脚光を浴びていないと思われるお督の、
喜びと悲しみを、河村恵利さんが見事に描き出しています。
この作品の中のお督は、優しく芯の強い中にも、二人の姉と共に戦国の修羅場をくぐり抜けてきた戦国女性の凄みもかいま見させていて、さすが河村さんと思いました。誰も憎まなかったお督の唯一憎んでいた「あの男」の存在・・・
それから秀吉は、信長に全面的に心服していたわけではなく、
信長をさめた目でも見ているという解釈が興味深く感じました。
そういう説も出てきているようですし。実際、信長と秀吉は微妙な関係だったのかな?と思いました。またお督だけでなく、我が子と生き別れになった於犬も、戦国女性の悲しみを感じさせていました。