アスペルガーの人の仕事上の悩み,仕事に就くにあたっての悩み
★★★★★
たくさんの当事者にアンケートをしてつくった、
アスペルガーの人の仕事上の悩み,仕事に就くにあたっての悩みである。
統計ではなく生の声を収録してあるので、統計の嘘は排除されている。
ただしイギリスの例なので,そのへんは勘案して読み込む必要がある。
生々しい声が続く。
・世間話が苦痛
・ASであることが判断を妨げることはないが,予定の変更は事前に伝えて欲しい。
・複雑な選択肢は選べない.YESかNOかだ。
・ひとりになりたいという思いが何より優先する。
・スーパーのレジで待つのは30分が限度。(定型発達者の僕は5分が限度です)
・目を見てモノが言えない
・ディスレクシア,うつ,ADHD,LD,喘息,鼻炎,てんかん等の合併症。
・仕事に自分の人生を縛られるのがたまらなく嫌だ
・酒を飲みながら出ないと仕事ができない。
・金融商品を売るのに嘘がつけない。
・上司の命令の内容を誤解する。
・社外に電話を掛けるのが怖い。
・バス通勤・電車通勤が苦手。
・他人と同じランチが食べられない。
・ちらつく照明が我慢出来ない
・職場の匂いが我慢出来ない。
・完璧に仕事をしないと気が済まない。
など,まだまだあるが,このマイナス事例は個人によって全く事情が違う。
そのマイナス要素を慎重に避け、ジョブコーチ,雇用主などの援助を得れば、
一人でも仕事はできるようになる。そのための雇用主の意見も乗っているのでこの本は
大変有用である。
もうひとつ感じることは日本での発達障害者の雇用に関する法整備の緊急性である。