若手技巧派
★★★★★
アメリカの5人組バンド。アメリカデスの暴虐性と、北欧デスの繊細なメロディをうまく融合したような音作り。大きくとらえるとデスメタルだが、堂々とした荒削りな音と吐き捨てVoはハードコアっぽくもあるし、時々はさまれる寒々しい空間系リフと持続的なブラストはブラックそのものでもある。過激な音楽を、それぞれのジャンルの個性を損ねることなくうまく調和させたバンドである。若手で彼らのような音作りをするバンドもなかなかいないだろう。コテコテの正統派ヘヴィーメタルからはやや遠い音かもしれないが、スラッシュ派からブラック、さらにはメタルコア派まで、およそどのメタル層が聴いても支持したくなるバンドだろう。
レビューを書くのが遅くなってしまったが、実は彼らは2005年度のラウドパークで初来日を果たしている。当時国内盤の出ていなかった彼らは、幕張メッセの最も狭い、また形状ゆえ音抜けも悪いステージを割り当てられていた。メインステージの大御所バンドにほとんど客を取られながらも、若手らしい冒険心豊かなパフォーマンスで少ない客をおおいに沸かせていたのを思い出す。またの来日を心より望むバンドだ。