恐るべし石川智晶
★★★★★
逆光:戦いに生きる武士の心の裏側を歌う。戦いその物には触れていないのに、歌詞の隅々まで武人の心が映し出されているようだ。その心理描写と自然、太陽の光を通して、かえって人生の表面がリアリティを持って聴き手の心に浮かび上がる。なんて才能。前奏の古代っぽい編曲と多重録音、Cメロの歌詞のアクセントとは敢えて逆にしたような音程もさすがの一言で済ませて良いものか。
涙腺:スローテンポの前奏。尺八や琴っぽい音源を使ってシンプルに作曲されている。しかし、A-A-B-A-B-C-Bと構成させれた構造のCの余りの激昂ぶりは、それまでAメロ、Bメロで抑えていた想い人への感情が爆発するようだ。女の業を感じさせる。
逆光 レビュー
★★★★★
一折聴きましたのでレビューさせて頂きます。
他のレビュアーが触れてある通り、戦国BASARA3の主題歌になっております。
歌声も綺麗で、演奏も含め、全てにおいて文句なしです。
カップリングの「落涙」も物凄く感動しました。総合評価は☆5です。
マブシクテ、マブシクテ―光と闇の眩惑の乱反射
★★★★★
空怖ろしい...まさしく空怖ろしいと感じるほどに研ぎ澄まされた
歌詞(フレーズ)を歌う、その歌声に石川智晶の真骨頂を見た思いである。
タイアップ作である戦国BASARAというより、先に先行公開のPV映像を
観てしまったせいだろうか。その疾走する生々しさに鳥肌が立った。
生々しい、というのは何もPV映像そのもののことというわけでも
一概にはないのだが、虐めというテーマと、そういえば戦国時代の
激烈さは案外似通っているのかもしれないし、それが異様に怖くもある。
その肌を逆撫でるような緊張感は、まさに生そのものの持つ、
断崖の絶壁を爪先立ちで滑るような、生きるために血生臭い幾つもの
死を本来越えてくることだったのだと知る。石川智晶は本能のうちに、
そんな一触即発の命のやり取りを、その凛と響く歌声で抽出してみせる。
逆光の眩しさ、それは実は闇それ自体の眩しさなのだと、既に人間(ヒト)
ではない獣としてのあさましさを思い知った心で呟く。しかし、だからこそ
ここで眩く生きてもいる。畏怖(おそれ)と自由、その相反する相克の思い。
マブシクテ、マブシクテ―鮮やかな光と影の眩惑の乱反射に胸を突かれる。
c/w「涙腺」は本マキシにも収録されている「落涙(2010 NewYork Trad Mix)」
にも似た(あるいは全て戦国BASARAに寄せて作られたからか)和製バラードで、
実は石川智晶は、こういった和のテイストが非常にマッチしたアーティストだったのでは
ないかと思わせる良作。琴や尺八の音色とその滑らかに響く歌声がなかなかに
聴かせる世界を構築している。「涙腺」は「落涙」よりも、さらに動きの感じられる
情感溢れる楽曲。そして、その2010ver「落涙」で締め括り、無情な時代に、
死に向かって駈けて行くその人の背中ばかりを見つめることの侘しさ―
生きることの無常さを切々と歌う。それは消えかかる寸前の焔のような
生そのものの激しさ。既に人が失ってしまったかもしれない衝動。
石川智晶自身の歌声が引き寄せたかもしれない、その激しくも美しい逆光。
...その鮮やかなコントラストの劇的さにまた、眩みながら目を凝らす。
素敵・・・
★★★★☆
戦国BASARA3のために提供された楽曲とあって、ジャケット写真とは別にBASARA3用のジャケットも同封されておりました。
BASARAファンとしてはうれしい限り。(でも、BASARA版がケースに収まらないような気がする…)
もちろん、石川さんの写真もすごく素敵でお綺麗です。とても気に入っております☆
楽曲はBASARA3のエンディングとアニメBASARAの劇中で使用されている2曲が収録されており、サービス満点といった内容です。
特に「逆光」と「落涙」は戦国BASARAの世界観と儚い戦国の世を映した歌詞が石川さんの美しい高音と合わさって何とも言えない
素晴らしいメロディを作り上げています。楽曲自体のメロディラインも独特で素敵だと思います。
これからも戦国BASARAシリーズに石川さんが関わってくれたらウレシイなと素直に思いました。