たまたま本屋で手にしたこの絵本、絵も内容も一目ぼれでした。

ハリネズミのおじいさんが、道端に落ちた金貨をひろうところからお話は始まります。殺伐とした世の中になってしまっている現代の人々に、あたたかな光をともしてくれるお話です。
使わずに残った金貨を、最後にハリネズミのおじいさんはどうするか。･･･その決断の意義は深く、でもそのハリネズミの人となりをストレートに表現したものになっています。小さな子供にはもちろん、大人にもおすすめの絵本です。

ほっこりと心が温まります。
ハリネズミのおじいさんがたくさんの親切を受けて冬ごもりの支度をします。必要な物を買うために使おうと思っていた金貨は使わずに手元に残りました・・・。きっとおじいさんの今までの人生も他人への親切であふれていたのでしょう。
何でもお金で手に入ると思いがちな生活の中で、こんな他人との係わりを羨ましく感じました。
同じロシアの絵本『きりのなかのはりねずみ』とも共通する雰囲気を持っていますが、こちらの方がストーリーがわかり易いので小さな子どもには理解しやすいと思います。
絵も文もしっとりと落ち着いているので親子でゆったりと読みたい絵本です。