全体的にまあ最初から予想がついていて、白々しさが残った。
★★★☆☆
決して設定が悪いということではないんです。たしかにちょっと最初から行成が出てきた時点で予想が出来てしまう展開ではあったけれど、それでも悪くない設定だったと思う。
なのに、なぜか全体的に白々しかった。
どうして白々しいのか、わかりません。ただそう感じたので三ツ星。
実は行成は一度見たことのある惺に一目ぼれしていて、その惺が行成のことをやはり自分の恋人の恋人だと勘違いしたために始まった関係。
惺に前の恋人としたことのないことをしようと誘う行成はとっても惺に対して真剣で、本当に惺のことが好きなのだとその行動から読み取れる。誠実で好感のもてる相手。
惺も振られたことでショックを受けながらも、その恋人をこういう条件だったら許してやろうとか、本当の意味で憎むことができないお人良しというか真面目な相手。
どっちもアクが強くないんですよね。どっちもとても真面目で顔の良し悪しは別として普通の人。
普通の攻と普通の受。
それが妙な恋愛劇を繰り広げるから、白々しく思えたのかも。
駄作とか、そういうことではないんです。
ただ中身が薄い感じがするだけ。
それでも愁堂作品ですので、ファンの方は当然お読み頂いていると思いますが、ファンでなくて愁堂作品を他に読んだことのある人はがっかりするかもなのでおススメしません。