私は今般、生糸金融史を調べるにあたり本書に目を通したわけだが日本の貿易を日本からの視点だけで描くのではなく当時、日本を取り巻く国際的環境との関連を通じて日本貿易の主体・機構・市場の特質を探ろうとする視点は極めて斬新である。
通史的ではありながら、充分に社会史的なアプローチも行っており15年前の刊行でありながら、今でも大変に読み応えがある。