仕事への自信を無くしている人にお勧め
★★★★☆
「うつ病」というタイトルが付いていますが、
本当に鬱病の方が読むのにはあまりお勧めできません。
「現実的な考えを持つように」「年相応の分別をもちつつ上手にわがままになる」
などの表記がありますが、
あくまで「自称」うつ病の人へ向けた言葉であって、
本当の鬱病の人だとまた事情が少し違ってくるかと思います。
鬱病の方が読むと追いつめられたり、共感できない部分が多いかもしれません。
社会人になって、新人時代はうまく乗り越えて来れたけれど
仕事が次のステップに上がっていくにつれ行き詰まりを感じている方、
または仕事の失敗から自信を無くして自分を責め続けてしまい、
転職や退職を悩んでいる方などが読むと
考え方のひとつとして役に立つ本だと思います。
うつ病患者の人は読まないでください
★☆☆☆☆
心因性のうつ病の患者を、「現実から逃避し、責任を持たない人」と断じてます。
だから、「社会の厳しさ(現実)を教え」「自分自身で身の振り方を考えさせる」ことが大切だと言ってます。
「会社はリハビリ施設ではない」「きちんと仕事ができるようにならないと復職してはいけない」等、一度うつで休職した人を復職させるつもりがあるのか...というような内容でした。
「企業は利益を追求する集団だから、弱者は要らない(お荷物)。自分自身でお荷物であることを認識し、自分からやめてくれ。」といっているように読めてしまいます。
企業の人事担当者には受ける内容かもしれませんが、うつ病患者の人が読むと、確実に落ち込みます。
うつ病に対する十分な知識が必要
★★★☆☆
この本は専門家ではない企業の担当者を読者対象としているにしては、配慮が足りないと思います。
「20代、30代では本当のうつ病にはならず、自称うつ病患者の状態である。」「本当のうつ病患者には自覚症状はない。」という内容の表記が見られますが、これはあくまでもそういった傾向があるという意味だと思います。
そもそも心の問題は人それぞれケースバイケースであり、筆者の言う「非現実的な自己過信」で片付けるのは危険だと思いますし、その他にも極端な例を用いて全てに当てはまるかのように記載しているのでうつ病に対して誤った認識を与える恐れがあります。
ただし、職場での患者への接し方については妥当な内容が書かれてあり、現在こういった内容を詳細に取り扱っているものは少ないのではないでしょうか?
うつ病に対しての十分な知識があることが前提となりますが、職場での患者の接し方に悩んでいる上司の方は読まれても良いのではないでしょうか。
全国の悩める人事課長さんへオススメ
★★★★★
能力不足の社員はまだ対処可能ですが,他の社員と同様にフツーに出社する事ができない社員や,有名進学高・有名大学を優秀な成績で卒業したにもかかわらず,なぜか職場で問題ばかりを発生させる若手社員は,どうにも取り扱いに苦慮します。何しろフツーでは考えられない事態が発生しているのですから,フツーの人事労務担当者には理解できるはずがありません。
しかし,この本を読めば,こうした事態の背景にある要因がボンヤリですが見えてきて,おのずと理解は深まり,対処の方向性も見えてきます。
本書では精神科医であり臨床心理士でもある著者が,たいへん平易にわかり易く記述されおり,しかも企業の顧問医の経験から,精神医学や心理学に理解の深くない企業の人事労務管理者も意識して記述されているようです。
企業の人事課長に是非オススメしたい本です。