母親世代の大女優。普段の自分とはかけ離…
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母親世代の大女優。普段の自分とはかけ離れた世界を、垣間見たくて購入。いつだったか、テレビで急に、白髪で短髪になった草笛光子を目にし、気になっていた。この人は、大女優にありがちな、«昔の人»じゃない。最高の時を引きづった、おかしな女優ではない。今の自分を最大限に魅せられる役者なんだ、と注目。そして今回の ~クローゼット の出版。昔の服を引っ張り出しました、なんていっているけど、古くないぞ。最高に飾っているぞ、メイク、スタイリストの腕も最高なんだろうな。飾り立てているが、飾り気のないの無い草笛光子が映っている。笑顔が弾けている。草笛のエッセーも面白く、心に響く。銀幕の人だけど、もしかしたらこの手を握り返してもらえるんじゃないか、などと、親近感さえ感じる。「あたくし、本気で演じちゃってますのよ!」と、笑う声まで届きそうな、とても楽しく、力の湧き出る1冊。