武石 憲貴さんが世界中を周り、巨大な怪魚を追い求めた!
その旅の記録!
あぁ〜俺も何かを追い求めて、世界中を駆け巡りたいなぁ〜

大人になるにつれ失いつつある、幼き頃に抱いた未知の世界へのドキドキ感。
そんな気持ちを追い求め、まだ見ぬ大魚を追い求める超サバイバルドキュメンタリ！
いろんな苦労を端折っていることが行間から伺える、どれもこれもなタフな釣行（では片付けられないだろう…）です。
こんな険しいサバイバルを体験することは困難だが本書で少しでも感じることができ、著者に感謝。

購入者は「憧れで」「経験者で」と区分されるのかな？
インターネットの普及で、「釣り」においてＪＡＰＡＮスタイルは確実に世界ＴＯＰレベルであり欧米人がこぞってタックル・釣法を実践している昨今、筆者の釣り上げた魚にリアルに感動出来る人（世界各国を釣り歩いても筆者の釣り上げたサイズは驚きます！）は釣り糸を垂らすまでの見えない行程の苦労に感動しているでしょう。
海外旅行にはよく行くけど･･･な方もパックロッドを忍ばせ渡航先の河川・海で是非、実践して欲しいです。この本で感動した方なら結果でなく挑戦したかであることに意義があるのを解るハズ。
特に入国時のトラブルは経験者なら納得です！私もマグロ釣りに訪れたトランジット先のアフリカ某国空港でテロ警戒中の軍人に自動小銃を突きつけられ監禁された経験ありますから！

　この表紙を見てどう思われます。『バカ旅行記の臭い』がプンプンしてきませんか？
　著者略歴を読んでみて下さい。巨大怪魚のためなら会社もやめる。何処にでも行く。その釣りバカっぷりは略歴だけでも伝わってくるでしょう。

　評者は釣りに疎いが、それでも本書が楽しめるのは、旅行記としても良くできているからだ。
　最初の行く先はパプアニューギニアのフライ川流域である。フライ川？そんな所まで行く外国人旅行者は少ないだろう。だから外国人向けの交通手段はなく、ローカルのペースでのんびり行くことになる。
　目的地にスムーズに直行できぬほど人々との接触が増し、旅の密度は高まるものだ。ローカルの家に居候し、暇な時間に子供達やファンキーなパプア人の髪型を写真に撮ったりする。
　旅そのものが目的ではなく釣り場に至るための手段なので、猛者ぶった力みが無く読んでて清々しい。

　フライ川流域ではワニ猟師にボートを出してもらう。ここで狙うのはパラマンディーという魚だ。武石氏は釣り上げた魚を抱えあげて写真に撮ってもらうのだが、この撮られ方がうまい！喜びを最大限に放出して魚の凄さをアピールする。115cmの超大型パラマンディーを釣り上げた時には、湿地に飛び込み魚を抱え上げて写真に写った。因みにワニ猟師がいるくらいなので、この湿地にもワニは居る。
　帰国後はマラリアを発病しながら引越し会社のバイトに行くという「本物のバカかも？」という一面も見せる。

　更にアフリカ大陸、東南アジア、モンゴル、アマゾンと世界各地に釣りに行く。特に、モンゴルでは一筋縄でいかないモンゴル人のキャラクターが炸裂し武石氏を困らせ、かなり笑える旅行記になっている。

　それにしても、こんなに巨大魚をどんどん釣り上げるのを見ると、そこに行くだけで俺も釣れるのかも？と勘違いしてしまいそうである。

釣りの特番も真っ青な巨大魚を
世界各地で釣りあげています。

特にタイのエイはすごかった。

また著者の底抜けに前向きな性格が
面白く、旅行記としても楽しめます。

淡水魚がメインなので、
海釣りファンには向かないかもしれません。