アット・ジャズ・カフェ・シネマ
価格: ¥2,548
映画に使われたスタンダード・ソングを集めた17曲入りのコンピレーション盤。選曲はジャズ歌手の大橋美加。レトロな感覚のスタンダードが多いのは、ひとえに彼女の好みを反映したもの。ダイアナ・クラールの<4>、ルイ・アームストロングの<8>、マイルス・デイヴィスの<10>などオリジナル・サウンドトラックからの収録も5曲含まれているが、それ以外はジャズ・ミュージシャン/歌手によるカヴァー・ヴァージョン。そのため、たとえば映画『ウエスト・サイド物語』でトニーとマリアが歌った<6>は映画のロマンティックなムードとは違って、オスカー・ピーターソン・トリオによるスウィンギーな演奏。またバーブラ・ストランザンドが『追憶』で歌った<7>はシンガーズ・アンリミテッドによるジャジーなコーラス。という具合に、映画のヴァージョンとはまた違った雰囲気の歌と演奏を楽しめる点が一番の魅力だ。したがって、これはたとえ映画を観てなくても、ジャズが好きな人なら文句なしに楽しめるアルバム。(市川正二)