声はビジネスの場でも、相手側の印象に大きな影響を与えるとても大事なツールです
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われわれが、普段、無意識に使っている声というのは日常生活でも、ビジネスの場でもとても大事なツールです。声は相手側の印象に大きな影響を与えるものなのです。
そんな声は「生まれつき」のものですが、意識して使うことで変えることもできます。本書には、そのために必要な方法が具体的に紹介されています。
本書には、声を決める仕組みや、エクセサイズなど、声を変えるために必要なことがすべて詰まってます。
著者が、言語聴覚士というプロであるのも本書の大きな魅力になっています。
声、気にしていますか?
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日本の政治家とアメリカの政治家を比較して、なんで日本の政治家は話が下手なのか、と思ったことはないだろうか? オバマ氏の演説など、例え英語がわからなくてもうまいなぁ、と関心してしまう。それに引き換え・・・。
で、実は印象だけで気がついていないのだけれども、本当に違うのはしゃべり方ではない。もっと基本的な部分、発声そのものだということはあまり気づかれていない。
ガラガラ声、しわがれ声、ぼそぼそと話す。日本の政治家の声のイメージといえば、そんなものではないだろうか。一方で、アメリカの大統領には、スタイリストの他にボイストレーナーもついていることが多いという。声は無意識に働きかけるパワーがあるくせに、自分の声は自分では実はよく理解できていないので、第三者の専門家が必要なのだろう。
最近、日本でも声のトレーニングを仕事にしている人が多いが、実は、ボイストレーナーにまともな資格があるわけではない。そういう人が声を「治す」という表現を使うのは、実は法律的にはすれすれの世界。では、医学の分野でそういう「治療」の専門家がいないのか、といえば、耳鼻咽喉科の医師と、リハビリとしては、実は、言語聴覚士という専門資格がある。
この本は、言語聴覚士が普通の人向けの声のトレーニングについて記述した、おそらく一般向けでは初めての本だろう。そして自分の声がよくわからない理由も冒頭に書いてある。自分の声は骨導音と言って、内部の共鳴も聞いてしまうために、外に発している気導音とは音として違う、というのだ。
この本には、医学から見たときに正しい声の知識と、リハビリ的に見たときに正しい声を良くするためのトレーニングが掲載されている。図もたくさんあってわかりやすい一冊に仕上がっている。
加齢とともに、声は衰えていくもの。この本のトレーニングでうまく声のアンチエイジングができるだろう。他にも様々な要因で、本来、正しい、もともと持っている、いい声というものが出せなくなっていることに気づく。いい声を取り戻すことができれば、確かに人生は少し豊かになりそうだ。
どうでもいいことだけれども、声に関する本、というのは、文字で書くのがとても難しい分野なのではないかと思う。それをどうやって説明するのか、という興味で見てみると、声を語るためのたくさんの言葉があるんだなぁ、ということに気づかされる。
そしてあなたもきっと、声について語りたくなる。そういう一冊です。
腹式ではなく、肺!
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ちゃんと声を出そうと思ったら、
腹からではなくて「肺から」
という指摘には、なるほどと思った。
よく考えてみれば、
吸い込んだ息を外に出しているのだから、
腹でははくて、肺なのだ。
では、どうやれば、
肺から声を出せるのか。
体幹部を鍛えるだとか、
ストレッチだとか、
簡単なエクササイズが紹介されている。
これがけっこう、体によさそう。
合唱をする人や、演劇をする人、
芸人なども、読んだら参考になると思う。
眼からウロコ。
非科学的なトレーニングではない、
医学にもとづいた、というのはいい。
体の根本から「いい声」が出せるようになる本
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自分の声の改善点と、改善のための方法がわかる本です。専門的でありながらも、わかりやすく一気に読めました。既刊の「声」についての本は、声楽の発声をベースにしたテクニックについてのものが多い中で、この本は、人の体の発声のメカニズムを熟知した言語聴覚士さんならではの視点で、体の根本からの、声と話し方のトレーニングについて書かれています。文字で声を表現することには限界がありますが、この本では、著名人の声やイメージしやすい事例がでてくるので、「ああいう声の事ね」というのが理解しやすかったです。また、エクササイズもそれぞれの改善点に合わせたメニューを解説してくれていて、即、やってみたくなりました。
コミュニケーションの重要なツールである「声」に意識を集中させることで、相手に伝わる話し方に近づくことのできる一冊です。