日本人によるジャズ通史の決定版
★★★★★
およそ100年に及ぶジャズの歴史を、非常に多角的な観点から再検証し、論じた力作。ブルース、ロック、ヒップホップ等との関係性や、日本のジャズについてもしっかり言及されており、なおかつ平易で、誰にでも興味深く読ませる力量はこの著者ならでは。日本語で書かれたジャズ史の決定版といっていい。
著者は本書の理解を助ける為、アップルミュージックで自作のプレイリストを公開している。音楽書の場合、文字だけでは伝わりづらいので、これは非常に親切な行為だといえる。
さらに、私がツイッターで本筋とは関係ない、些細な誤謬を指摘したところ、すぐに重版の際改める旨の返答が著者よりあった。読者に対して真摯であり、本書を多くの人に届けたいという思いが伝わった。
ジャズ初心者にもマニアにも推薦できる名著だ。