標準からやや難まで持っていける
★★★★★
本書は基礎的(と言っても簡単ではない)なA問題25問、実践的なB問題50問の構成です。
対象は模試の偏差値で60〜70の高二、高三と言った所でしょうか。
難関を志望する読者の為の「基礎固め」を意識して作られている感じがするので、高三で始めるには遅い感がありますが…
A問題は、難関の入試問題を料理するための「道具」を取り揃えたって感じです。
見たことがある問題が出てきてスラスラ解けるかもしれませんが、解けても解けなくても豊富な解説で、違った視点からの考え方など、応用の為の基礎が確認できます。
この辺の問題は見た瞬間に解けるくらいにならないとB問題で苦労すると思われます。
B問題は東京、京都の問題を交えながら少し発想を必要とする入試過去問を取り扱っています。
著者は「超難問はない」と言っているように基礎が身に染みついていれば発想が無理な問題はありません。
模範解答は非常に簡潔で飛躍に苦しむ所もあるでしょうが、解説が(平易ではないが)丁寧にまとめられているのでA問題で基礎をつかんだ人は理解できるとおもいます。
別冊の問題冊子がついているので、使いやすいですね。
この問題集を完璧にこなせば偏差値を70前半まで持っていけるでしょう。
最高難度の問題集の一歩手前として、取り組んでみてはいかがでしょうか。