幸せになってほしい。
★★★★★
ボーイズラブというより「モーリス」とかのほうが近い、とても骨のある作品。とにかく設定がきちんとしていて良い。19世紀英国(同性愛禁止!)はよく調べてあるし、壊れた攻めアルジーが受けに「愛してない」と言いつつ執着している理由もリアル(かなりひどいけど)。「あるひとつの恋愛の形」を真正面から書いてる感じです。そしてもちろん主役である受けのバートも魅力的。自分の足で立とうとして、なおかつアルジーを支えようとして、見かけは可愛いけれどちゃんと男の子してる。だからこそ二人には、いや少なくともバートにだけは本当に幸せになってほしいと身内のように思う。個人的には最終巻の3巻よりも、痛さ絶頂の2巻が一番面白かったです。マジ泣ける一冊。