中学から大学レベルまで、初等解析の最短ルート
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雑学というレベルを超えた、かなり気合いの入った数学解説書です。
内容は、三角形の相似を利用した距離や高さの算出 (中学レベル) からはじまり、三角比・三角関数とすすみ、指数関数の微積分 (テイラー展開) と複素数での計算をへて、オイラーの公式がどういったものか分かるところ (大学レベル) まで解説しています。
同レベルの内容をジックリと説明した初等解析の教科書では、本書の3倍くらいのボリュームになるはずです。
したがって、登山にたとえると、徒歩で山をのぼるというよりは、ロープウェイで一気に山頂の展望台まで連れていってもらうようなところがあります。
そのため、短時間で全体を俯瞰できる反面、こまかい部分に関しては、説明不足と感じるところもでてきます。
とはいっても、この本の分量で、中学レベルの知識からはじめて、オイラーの公式がどんなものかまで理解できるようになるというのは、かなり画期的な解説本と言えるでしょう。
また、この本をきっかけとして、数学の知識や理解をさらに広げることも可能です。
たとえば、本書で得られた知識を利用して、物理学の世界をのぞいてみたいという人には、次の本 「高校数学でわかるシュレディンガー方程式」 がオススメです。
また 「イラスト図解 はじめての微分積分」 は、本書と同程度の時間で読めるやさしい微積分の解説書ですが、工夫をこらした分かりやすい説明で、より高度な偏微分や重積分まで導いてくれる内容となっています。
一方、もっと本格的に数学を勉強したいのであれば、ラングの 「解析入門」 が自習には最適でしょう。
最後に、本書で1つ気になったのは――
数式のフォントがゴシックで見にくいという点。
x (エックス) と × (掛ける) が見わけにくいうえ、数式が地の説明文に埋もれてしまい雑然としています。
欧文フォント (数式) に関しては、一般の教科書とおなじセリフの書体を使用してほしいところです。
おもしろかった
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見開きの左ページが説明、右ページが図解という形式で三角関数を解説。
全222ページ中、前半はsin,cos,tanの意味や測量への応用方法、sin曲線などについての解説。事例も具体的なので高校まで数学の授業を受けた人ならあまり苦労せずに読み進めると思う。
後半は、三角関数を微分・積分したり、オイラーの公式を導くために指数・対数が出てきたりする。しかも、抽象的な式の展開部分が多いので、私のような文系人間にはちょっとしんどい。しかし、一つ一つの説明はとても丁寧で親切。一読したときはよくわからなかったが、最後まで読んで流れがわかってからもう一度読むと理解できた。(そういいながら、フーリエ級数の部分はよくわからなかったが・・・・)
ていねいな説明の本であり、私のように長年、数学の世界から遠ざかっている人間にとっては、「久しぶりでなつかしいなあ」とか「数学は美しいなあ」と感じ、なかなか楽しめた。
実務で数学が必要な人に
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実務で三角関数の理解が必要になったので購入した。
この本は例もとても具体的で、わかりやすい。高校の数学の本でなかなかわからなかったことが、一ページでわかってしまうことが悔しい。
なによりも意味が頭にはいるので、実務上、応用しやすいところがいいです。
学校で挫折して、でも、実務で使う、使っているけどイマイチわからない、という方にお勧めです。
こんな簡単な本でオイラーの公式が導ける
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一回買って、意味がわからず、モチベーションが下がってしまい、1年ほど放っておいた。たまたま『虚数の情緒』を読んで、気分が乗っていたので、性懲りもなく再び読んでみた。
するとどうであろう、こんな簡単な書き方で、オイラーの公式が解けるではないか!
著者の筆力の賜物といえるだろう。オイラーの公式を死ぬまでに理解したいと思っていたが、こんなに早く理解できるとは。しかも本当に美しい式で、しかも筆者の説明もとてもシンプルで美しい。
感動しました。日本でもオイラーの公式の意味を理解している人は多くないと思います。この貴重な経験を大切にして、数学の理解を深めていきたいと思います。
数学好きな人なら
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『図解雑学』シリーズはいわゆる素人にも
わかりやすいような本なので、こんな私にも
三角関数がわかるようになるかと思ったのですが…
やはりそれはちょっと甘かったですね(笑)
三角関数がある程度わかっている人にならオススメですが
わかっていない人には、ちょっとチンプンカンプンなところも
あるかと思われます。
数学好きな人にすすめたい一冊です。