映画に仕組まれたビジネスの見えざる手 なぜ映画館にはポップコーンが売られているのか (スマートブックス)
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グローバルな映画産業にあって極端にローカル・ルールの多い日本。
ハリウッドも認める日本ならではの特殊な事情を知れば、映画はもっと面白くなる!
【本文より】
映画がいろいろな人生や世界を映し出すことによって、観客一人一人がそこから何かを得たり、元気づけられたりする。映画は夢と感動のある総合芸術であり、身近に楽しめる娯楽であり、映画の中には夢を描く力、未来を描く力の源になる何かが、ここかしこに散りばめられているのだ。
日本映画・アニメなどのコンテンツは、クールジャパンと呼ばれ、今世界から注目されている。これから紹介していく「映画に仕組まれたビジネスの見えざる手」とは一体何か。それを探っているうちに、これからのニッポンを栄えさせるヒントが見えてくるはずである。
【内容】
まえがき 映画に見る「ニッポンを栄えさせるヒント」
映画を活かしたまちづくりの動き
夢を描く力、未来を描く力の源が散りばめられている
第1章 映画の身近な疑問から業界が見えてくる
なぜ映画館にはポップコーンが売られているのか
製作の裏事情がギュッと詰まったエンドロール、「友情出演」の友情とは
字幕スーパーの翻訳に首をかしげてしまう理由
なんとなくおかしい吹き替え、「NO」が「いやだ」にならない理由
空席だらけなのになぜ潰れないのか
ラストシーンで感動の涙、涙が乾く時間までをちゃんと計算していたあの映画
分単位でストーリーを計算しているハリウッド映画のこわいしかけ
第2章 プロっぽい視点で映画を見てこそわかること
日本の映画産業が凋落を経験した本当の理由
日本のヒット映画が海外で売れない理由
なぜハリウッドに映画産業が集中したのか
ゴジラの身長が100メートルまで伸びた理由
「千と千尋の神隠し」でキットカット、「UDON」でマルちゃんを食べてる理由
権利ビジネスがてんこ盛り、ファッションや料理も真似しちゃだめなケース
第3章 なぜ、あの町・この店でよくロケしているのか?
雑誌やドラマでよく見るあの飲食チェーン店のからくり
「スウィングガールズ」で山形県がロケ地になった意外な理由
「フラガール」「佐賀のがばいばあちゃん」、ロケ誘致の内幕
ロケ隊の経済効果
5日間で約1億円使ったハリウッド映画の日本ロケ
フィルムコミッションの仕事
「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」、ロケ地とタイアップの舞台裏
日本でも始まっているロケ誘致のインセンティブ
売れ残り不動産が完売、閑古鳥のテーマパークを復活させた仕掛け
「ローマの休日」で観光客が増えた本当の理由
実写映画のロケ地観光とアニメの聖地巡礼、現場で起こっていること
第4章 世界恐慌をきっかけに飛躍した映画産業
「ブラックレイン」から「バベル」まで、身動きがとれない日本ロケ
海外がロケに協力的な理由
日本ロケの現状を海外映画人はどう思うか
夕張市の破綻からみえてきた映画と地域の関係性
第5章 映画でいろどる花綵列島、日本が各地で元気になる
「おくりびと」「千と千尋の神隠し」、まだまだ伸びる日本のコンテンツ産業
世界のKUROSAWAを支えた海外、「殯の森」資金も支援した地域サポーター
地域発信型映画の芽ばえ
民の力で地域が栄える映画の仕組み
映画が地域を元気にする方法
日本映画を活気づける映画ファンド
映画に資金が集まる海外の国際戦略
【著者】
谷國大輔(たにくに・だいすけ)
株式会社ジムービー代表取締役、地域プランナー(一級建築士)、プロデューサー(イベント・映画)。
1963年東京都生まれ。早稲田大学高等学院、早稲田大学理工学部建築学科卒業。ゼネコンで実務経験し一級建築士を取得後、同大学院修了。株式会社電通入社、政府系シンクタンクを経て会社設立。国・自治体・民間企業等で、まちづくり・観光・イベント・博覧会・中心市街地、並びに映画・映像等に関わる各種委員・プロデューサー・アドバイザーを歴任。
日本国内のミレニアムイベント関連事業の仕掛け人(ピース2000倶楽部主宰)。映画学校のOBで、映画の製作・上映・配信等に携わっている。
著書『映画にしくまれたカミの見えざる手 ニッポンの未来ぢから』(講談社)。共著書『大世紀越え・2000年イベント』『世紀越えプロジェクト事業化マニュアル&企画ファイル』『中心街・元気マニュアル』『観光実務ハンドブック』等。