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白川静文字講話〈1〉

価格: ¥2,310
カテゴリ: 単行本
ブランド: 平凡社
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「漢字」がぐっと身近に「感じ」られる ★★★★★
 敗戦後、わが国文教政策は、占領軍の指示するままに、極めて貧弱な当用漢字表の規制を受けてきた。自らの土壌を失った文化が、新しい発展に向かうことはない。国語の乱れ、国語力の低下の根源はここにあるとも言える。
 漢字習得の困難さは、その字形の理解が困難であるという一点に帰する。ただその語源、字形の意味・構造を理解すれば、絵解きのように、容易に分かってくるものである。
 本講話20回は、米寿の漢字学者がより多くの人に漢字の魅力を解読してくれた遺産である。年4回、5年にわたる20回シリーズものである。国語から漢字を軽減する(スリム化する)ことは日本文化の発展進化にはならない信念のもとに私たちのために講じてくれたものである。
 誰しも興味を覚える絵文字から講じ始めている。資料として示してくれている実例が豊富で、これを見ているだけで楽しくなる。文化を求める原始の人に会っているような気がする。
 まず、人体表現の漢字33字が挙げられている。身・見・眉・媚・髪・首・心・足など、象形文字とみなして自分勝手に思い描いてみたのと大して違わない。しかし、その説明に刮目される。象形文字「心」の解説を読んだだけでも、視界が開けた感じがしてくる。
【心】これは心臓の象形であろうと思います。肉食の生活をする民族は、このような内臓の知識を早くからもち、殊に心臓が生命の根源の力であることを知っていた。…【爽】赤く美しいという意味があり、白い胸の乳房に朱で加えたものです。 
 なるほど、なるほどとうなずくことばかりである。漢字がぐっと身近に迫ってくる。単なる知識ではなく、感性としても迫ってくる碩学畢生の書である。