日本各地に伝わる奇祭を体験談で解説
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1月から12月まで、1ヶ月ごとに日本各地で開催される一風変わったお祭りを写真入で紹介した著書。特色として、実際に筆者が現地を訪れて上で書かれた一種の体験記的様相で記述されていることが挙げられる。そのため、単なる祭りの紹介文にとどまらず、筆者の感想を交えた生き生きとしたレポートに仕上がっている。
一口に「奇祭」といっても、単に雰囲気が変わっているというだけでなく、祭りの由来となった伝説、風習、祭りに使われる道具など、取り上げるべき点が非常に多岐に渡っていることに驚かされる。本書を読むことで、どの祭りも地域にしっかりと根付いた所縁あるものであることを改めて知ることが出来た。
復刊本ということもあり、やや情報や写真が古くなっているところもあるが、それは致し方ないことかもしれない。むしろ、ここで取り上げられている祭りは、数百年以上も続いてきた伝統あるものばかりなので、今現在も恐らく大きくは変化してはいないと思われる。また、祭りの紹介文の後にはそれぞれ簡単な開催地へのアクセス方法も記述してあるため、本書を読んで実際に「奇祭」に参加してみたくなった方は参考にしてみるといいかもしれない。