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深層水「湧昇」、海を耕す! (集英社新書)

価格: ¥693
カテゴリ: 新書
ブランド: 集英社
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壮大な夢 ★★★★☆
帯には刺激的な言葉が書かれてます。
「100億人の食を満たす」

素人にもわかるように、理論の概観を示しながら、具体的な数値も提示され、著者の主張するシナリオが無理なく理解できる構成です。

加えて、軽妙な語りが面白く、深遠な深層水の壮大なドラマに効果的なスパイスとして効いています。
読みやすく、面白い。 ★★★★★
長沼先生といったらチューブワームについて熱っぽく語るイメージを持っていた
(二冊の著書を読んだだけで、お会いしたことはありませんが)のですが、
この本も、深層水が湧き上がってくる(湧昇)現象について熱っぽく語っています!!

深層水が湧き上がってくると、窒素も一緒に浅い海にばら撒かれる。
それを栄養にして植物プランクトンが増え、あとは食物連鎖の始まりです。
当然植物プランクトンが増えないことには、それを直接えさにする生物も増えないのです。

深層水が浅海にまで登ってくれば、豊かな漁場になる。(実際にはほかにも条件がある。)
筆者はこれを人間の手でコントロールし、将来にわたって増え続ける人間の食糧事情に
対応していこうと考えています。

ただし、湧昇の起こる仕組みと、そのときの生物量の変化が話のメインで、
どこそこに沸昇を人為的に起こし、魚の量はこれ位…といった具体的な計画は
書いてありません。
しかし、最後まで読み終わるとこの現象について、かなり想像力逞しくなります。

詩を何篇か引用しながら、お話を進めていきます。ドラえもんからも引用があります。
海が好きな方、海の食べ物が好きな方、おすすめいたします。
海の営みに熱くなる ★★★★★
 新書は,次のふたつのタイプのうちどちらかになることが多い。ひとつは,大学の教科書を縮小再生産した「プチ教科書」。もうひとつは,大学の先生が自分の専門に関するあれこれを並べた,宮崎哲也氏の言う「トリヴィア本」。前者は無味乾燥な知識の羅列になりがちだし,後者は読んで面白くても後に何も残らないことが多い。どちらにも堕ちず,独自の切り口で具体的な問題を分析し,かつその分野の基本的な知識・考え方が一通り身につく啓蒙書は存外少ない。本書はその稀有な一冊。
 本書の基は,大学での「生物海洋学」の講義だそうである。食物連鎖や生態ピラミッドの構造,物質循環・エネルギーフロー,地球規模の海水循環や水中の無機環境などなど,よく読むとこの分野の重要概念はみな説明されている。また,海洋生態系の主要な構成メンバーとなる生物群も,身近なものから一般になじみのないものまで,その特徴から生態まで広範に紹介されている。
 しかもそれらが,単なる羅列にならないのは,「マグロを食料として100億人の人口を支えることは可能か」という,ある意味非常に卑近なテーマによって個々のトピックが有機的に結び付けられ,いちいち腑に落ちるかたちで提示されているからだと思う。表面上は,エミール・ガレから『ドラえもん』まで,多彩な素材の言及・引用に目を引かれるかもしれない。しかし根底には,「惑星活動のひとつの表れとしての生命現象」をとらえようとする著者の視点と情熱が垣間見えるように思われる。