加藤隼戦闘隊のエース
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ビルマ航空戦最前線の戦記。著者黒江保彦元大尉はビルマの撃墜王として有名であるとともに、極めてよい文章を書く優れた文筆家でもあることが改めて知れる素晴らしいもの。
大ビルマの樹海の上空で、味方の爆撃機を、自身の指揮する戦闘機隊で掩護しきれずに、目の前で撃墜されるという壮絶な場面を語る「"掩護ゴクロウサン"」のくだりは、戦争の残酷さのなかにあって死を覚悟した人間の潔さがかえって美しくさえあって、心を揺さぶられずにいられなかった。まさに真正の空戦記。
あぁ隼よ。。
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本の始まりは著者 黒江保彦 氏が懐かしい戦友と出会う事から始まる・・。昭和16年、黒江氏が戦闘機乗りの教官で、生徒との訓練の様子が書かれていた、もちろん厳しいが中には曲芸飛行を無断でやってみたり飛行中に後席の生徒を操縦棒でポカリと殴ったりと面白い部分があって非常に楽しかったがそれも生徒と教官の絆であってなにかおもしろい中にも愛情?のようなものが感じらた。そして開戦を迎えて、始めは2式を駆っていた黒江氏だが途中でこの本のメインである隼戦闘機に変わり華々しい戦果を挙げるが戦局が進むにつれて米軍は調子を取り戻し始める。。戦法の変更、さらに宿敵B-24やP-38と言った飛行機まで出してきたアメリカに対して日本は隼をパイロットの技術で何とか戦わせているのであった、固い友情で結ばれた戦友も又一人一人..と未帰還に..やがて来た転任命令。どんな時も一緒に戦ってきた戦友、基地の人々との別れ、黒江氏は「さよなら」を連呼していた基地の人や帽子を振って送った編隊を今でも忘れない。と書いていた。。感動的な本・・・本当に戦争って酷です。
この本はおすすめ
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陸軍航空隊戦記として、パイロットの心情・空戦の描写等にすぐれる。戦争の経過にそった展開のため、97戦・隼Ⅰ型・Ⅱ型と乗り継いできた著者の戦闘機、また、マレー・ビルマと渡り歩いてきた戦場の様子がよくわかる。著者が飛行64戦隊から内地へ赴任になったあとの戦記がないのが残念。