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メリー殺しマス (創元推理文庫)

価格: ¥1,155
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
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予定調和も楽しい ★★★★☆
リゾートホテルを改築した高級老人ホーム"海の上のカムデン”で起きる事件シリーズ6作目
主人公は2人の老婦人 小さなアンジェラと巨体のキャレドニア
2人はおしゃれで 食べ物にもうるさい。カムデンの食事 今回は羊肉が続くが 
いつもとてもおいしそうだ。
個性的なカムデンの住人たちとスタッフの消息も 折々描かれる。
今回は クリスマス準備中 嫌われ者の住人が不審死する。
礼儀正しい警察官のやんわりとした制止を聞かず 2人は
「私たちが悲しんでいるなんて思わないで欲しいんだわ。ここでは人が死ぬのなんて
めずらしいことじゃないんだわ。」と言い放ち 真実を求めて突進する。
自分の老いと傍若無人の振る舞いの滑稽さ、周囲の迷惑に無自覚でいられることは
老人の特権かもしれないが それを行使できる人は限られている。
だからこそ 2人の生活が一層魅力的に思えるのだ。
作者も素敵なホーム暮らしらしいが 事件なしでもカムデンの日誌でもいいから続けて欲しい。
老化が進んだ? ★★★★☆
舞台は再び高級老人ホーム、海の上のカムデンに戻ってまいりました。
クリスマスの季節、入居者の死体出現で、お祭り気分がドッと高まります。
自然死か事故死らしいのだけど、アンジェラ曰く「絶対、殺人よ!」
この思い込みに根拠は全くありません。捜査でワクワクしたいだけ。
色男の警部さんもよく分かってて、プレゼント代わりに故人の交友関係リスト作りを依頼。
“公式捜査のお墨付き”を得た老女2人組は張り切って“聞き込み”開始。既にズレてるけど気にしない。
殺人の証拠は一向に出ないけど、殺されても不思議ない、という情報が山と集まり…

おなじみの入居者やスタッフの言動で笑わせてくれる反面、2人組の老化進行が気になります。
もともと暴走気味のアンジェラの自己チュー解釈と脱線ぐせが悪化とか。
たしなめるキャレドニアの頭脳はともかく体がちょっと危ういとか。
“老人はそれを我慢できない”式に描写される友人たちも、ちょっと切ない。
高齢者が身近にいるせいか、笑ってばかりもいられません。