異色のサーバー入門書
★★★★☆
この本は、サーバーを運用するためのハードウェア構成や安全に運用するための機器の説明の他に、運用場所(データセンターや自社内の運用で考慮すべき点など)が中心になっている珍しい内容になっている。
おそらく対象読者は、業者に発注して社内でサーバーを運用する必要に迫られた初心者と思われる。
基礎的な技術の説明(ネットワークのプロトコルやソフトとしてのサーバー等)も記載されているが、Linux をインストールして HTTP や FTP サーバーをインストールして、X Window を起動して…は、ほとんど書かれていない。
Linux の運用まで考慮したら紙面が足りないというのもあるし、類似する本も多く出版されているから、この内容を選択したのだと思う。
上記にもあるが、開発や運用は業者にお願いするが、業者が提案する機器や運用場所の是非を判断する立場にいる人に向いているだろう。
自社内で運用する場合は、電気設備法定点検などでサーバーが稼働できない場合も考慮しようと書かれている点など、実際に運用に携わっていないとわからないことが書かれている点が好印象だった。