本書は、著者が大学卒業後に歩んだ道やWebデザイナーの仕事の魅力を、これからWebデザイナーになろうとする人々に説いたものである。通常期待されるような泥臭い苦労話は見当たらないが、カフェグローブ・ドット・コムやユーミン、ジェフリー・フルビマーリ(雑誌「CAZ」の表紙などでおなじみのアーティスト)などとのビッグプロジェクトの様子や裏話は、Webデザインの魅力を伝えるのには十分すぎるほどエキサイティングである。
現在勉強中の若きデザイナーたちにとっては、第一線で活躍するデザイナーが何を考え、何に注意しながらプロジェクトを進めているのかを知るよいきっかけとなる。また、プロのデザイナーにとっても、Webデザインのワークフローや情報アーキテクチャー、配色などに関する著者の洞察は参考になるかもしれない。(土井英司)