不埒な子爵の手に堕ち 愛と享楽のローハン子爵家 (MIRA文庫)
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かつて憧れた子爵は、もはや別人だった。妻を探してはいるが、愛する気はさらさらないと言う。
メリサンドは元売春婦たちに裁縫や料理を教えて更生させる慈善活動に勤しんでいた。愛の営みについてはよく知らないが、彼女たちが今も噂するベネディック・ローハン子爵のことは知っている。社交界にデビューした年、壁の花だったメリサンドが子爵の目に留まるはずもなく、彼女はただ、舞踏室の隅から彼を見つめていたのだった。そんなある日、更生中の娘がベネディックに呼ばれたという報せが入る。メリサンドは彼女を連れ戻そうとローハン邸に駆けつけた――欲望にたぎる子爵を邪魔すれば、どんなことになるかなど考えもせず。