ヴァルデマールを知る人は、ぜひ!
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ヴァルデマール年代記を知る人には必須の3部作と思われます。3冊一気に読めちゃいます。宿縁の矢―ヴァルデマールの使者〈2〉 (C・NOVELSファンタジア)天翔の矢―ヴァルデマールの使者〈3〉 (C・NOVELSファンタジア)
この三部作のあとに
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宿命の囁き〈上〉―ヴァルデマールの風・第1部 (創元推理文庫)
こっちにストーリーが続いて行きます。
この時代のちょっと前はTake a Thief (Valdemar)とExile's Honor (Valdemar)。今日本語で手に入る本だと、
運命の剣〈上〉 (創元推理文庫)がこの本の物語の中の時間の
直前(プラス時代が重なっている部分)にあたります。
今手に入るシリーズの中では、日本での出版は遅いのですが、
ヴァルデマール年代記として出されている本の中で、一番最初に書かれたのがこの
女王の矢シリーズなので、この三部作を最初に読むのがお勧めです。
(20年ぐらい前に、1度違う出版社から出されていましたが、この1巻の途中までで
出版社がつぶれて、読めなくなっていました)
これを読んでおくと、「ヴァルデマールの風」と、
女神の誓い (創元推理文庫)シリーズを読むのにも役に立ちます。
待っていました!
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ラッキーの創元推理文庫からでている作品を随分前から読んでいて、この度の出版本当に待ち望んでいました。タリアの名前やエルスペスのエピソードが作中に出ているのに詳細不明なので、おや?と思い、どこか抜けている本があるのかと調べてみたらすでに絶版・・・もう読めないかと思っていました。
絢爛豪華な設定で勧善懲悪の世界を救うファンタジーも好きなのですが、最近は食傷気味。ラッキーの初期の作品は主人公が女性ということもあるのですが、成長していく様子やリアルな感情表現が共感でき、何度も読み返ししています。こちらから読まれた方はぜひ創元推理文庫の方のシリーズもご一読下さい!
運命に選ばれし者
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ラッキーらしい、元気な少女があきらめずにがんばるファンタジーだ。中学生や高校生たちにも楽しんでもらえるであろうし、この世界に触れたことがある人には名前に見覚えがあるだろう。
これは、タリアの物語だ。
愛してくれる家族は一人ずつ減り、一族の厄介者と扱われ、数冊しかない本を読むことだけが密かな楽しみの少女。
辺境に生まれた不遇な少女は、いつか広い世界で活躍する夢を見ていた。手が届かない夢を見ていた。
強く、強く。誰よりも。
願いは、出会いの奇跡を引き寄せる。運命に選ばれし者となり、必要とされ、尊敬される人生を手に入れるため、歩き始める。
創元推理文庫の同作者のシリーズと訳をすりあわせてあるとのことで、違和感なく読むことができた。続きも楽しみ。
悲しみを乗り越えて成長する少女の物語
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辺境の厳格な生活を送る<砦族>の少女タリア。<共に歩むもの>と呼ばれる、白馬の姿をした精霊に<使者>として選ばれ、立派な<女王補佐>に成長していく過程が描かれています。
本書はヴァルデマールシリーズに含まれていますが、この『女王の矢』から読み始めても、問題なく物語に入り込めます。
ストーリーが面白いのはもちろん、何と言っても登場人物がとても魅力的です。
主人公タリアは生まれ育った環境のせいで、大人しく抑圧的な性格ですが、<使者学院>で出会った仲間や友人達の手助けや応援で、いじめや陰謀といった問題、悲しみを乗り越えてたくましく成長していきます。
そして個性的な教師達、特に年の離れた友人ジャイダスとの交流と、我がまま姫エルスペスをしつけていく様子は微笑ましく感じます。
白馬の精霊<共に歩むもの>の生態も生き生きと表現されていて、<共に歩むもの>と<使者>との絆の強さが印象的に書かれています。
ファンタジーの世界にどっぷり浸かれる小説です。