この世をば(下)
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直木賞作家・永井路子氏の作品が遂に電子化!
姉・詮子、妻・倫子などの助けもありながら、道長は三十歳にして遂にトップの座につく。
ライバルと目されていた兄・道隆の長男伊周の失脚もあり、道長は生来の平衡感覚で宮廷政治を仕切り、「一家立三后」と栄華を極める……。
表面的な華やかさに誤解されがちな人間・藤原道長の素顔を見事に浮かび上がらせた名作。
目 次
覇 者 の 妻
見えざるいのち
乳 房
内 憂 外 患
和 歌 屏 風
二 人 の きさき
黄 泉 へ の 道
炎 の 章
白 き 帳
魘 魅 の 法 師
夜 の 水 鶏
魔 の 翼
恋しかるべき
虧 け ゆ く 月
史料のことなど
解 説
大正14年東京生まれ。東京女子大学国文科卒業後小学館に入社し、『女学生の友』『マドモアゼル』の編集者を務める。
小学館時代から歴史小説を執筆し始め、昭和39年『炎環』で直木賞を受賞。その他にも吉川英治文学賞を受賞した『雲と風と』等多くの素晴らしい作品を世に送り出している。
男性的目線になりがちな歴史人物や歴史事件を解きほぐし、その陰になりがちな女性にも焦点をあて、歴史上の人物、出来事を鮮やかに浮かび上がらせる作風は、歴史小説に新風を巻き込んだものと評価されている。
また、直木賞受賞作品である『炎環』、『北条政子』などは、NHK大河ドラマ『草燃ゆる』(1979年)の原作として、また『山霧 毛利元就の妻』『元就、そして女たち』などは、同じくNHK大河ドラマ『毛利元就』(1997年)の原作としても知られている。