西郷の首 (角川書店単行本)
価格: ¥0
ひとりは軍人に。ひとりは利通暗殺へ。
西郷の首を発見した男と、大久保利通を暗殺した男。
2人の加賀藩士は、親友同士だった――。
「維新」とは何だったのか?
武士の世の終焉を活写した、ひたすらに熱く切ない本格歴史長篇!
幕府を中心とした開国派と、長州藩を軸とした攘夷派に分かれ、激しい戦いが繰り広げられる幕末。
百万石の雄藩・加賀藩は、中立的立場ながらも、藩内では二派の対立が激化していた。
加賀藩士の島田一郎は尊王攘夷思想に憧れ、親友の千田文次郎は、一郎の情熱に煽られながらも自分を見失わないでいた。
やがて一郎は反政府活動に傾倒し、武装蜂起を企てる。
一方、文次郎は陸軍軍人となって西南戦争に参加し、薩摩軍が隠した西郷隆盛の首を発見する。
それにより不平士族の絶望は頂点に達し、一郎らは大久保利通の暗殺を画策する……。
幕末・明治という激動の時代に翻弄された二人の青年の友情と別離。圧巻の歴史長篇!
「一つの時代が終わったのだ。もう武士の世には戻れぬ」
文芸評論家・縄田一男氏、激賞!
「完敗した。評論家の首を賭けるに足る傑作」 (「本の旅人」2017年10月号書評より)