建築家の見たナチス
★★★☆☆
シュペーア氏の人物評伝というよりは、
「彼の視点から見たヒトラーとナチス」に視点をおいた歴史読み物に近いと思います。
逆を言えば、建築家としてのアルベルト・シュペーアについての描写は少なく、
彼の建築作品についても具体的な紹介はされていません。
ですので、人物伝や建築読み物を期待していると若干物足りず、
谷口吉郎氏の視点でかかれた章なども、逆に蛇足に感じてしまうかもしれません。
ただ、文章は明快で臨場感もあるので、「建築家の登場する歴史読み物」としては、
なかなかに読ませる本であると感じました。